【色が与える印象(感覚・感情)】:『はじめてのオーラソーマ』第296号

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はじめてのオーラソーマ No.296 2021.10.1

みなさん、こんにちは。

えつこです。

今回も「はじめてのオーラソーマ」をお読みいただき、ありがとうございます。

前回のぱりさんのお話は【オレンジ・エネルギーの色彩心理】でした。

まだお読みでない方は、こちらからご覧くださいね。

 


今回のテーマは、【色が与える印象(感覚・感情)】についてです。

ふだん、何気なく目にしている色。

世界共通の色ですぐに思い浮かぶのは、水はブルーお湯はレッドのマークです。

トイレも、男性はブルー女性はレッド・・・これも世界共通です。

言葉や文字がわからない海外でも、このように色を通じて感じることができます。

色は普遍的な言語と言いますが、自然な形で色は日常に溶け込んでいます。

先ほどの「暖かい」「寒い」や「男性」「女性」のように、ほかにも直感的に色でわかり、感じるものがあります。

それは、「重い」「軽い」「膨張」「収縮」などです。

今回のぱりさんのお話は、例をあげながらわかりやすく、色を通して私たちの感情に色がどう影響するかを説明してくれています。

10月3日(日)にZOOMにて開催されるコマラさんのイベント≪e-color≫も、日常でどのように色のパワーを使っていくかのヒントがいっぱいなクラスです。

e-color

毎日、色のエネルギーをうまく使っていけたらいいですね。

えつこ

 


色彩心理学としてのオーラソーマ:

          第10回【色が与える印象(感覚・感情)】


 

人が色から受ける印象には、
個人の遺伝的資質や条件づけによって
大きく左右される種類のものと、
そのような個人差が
ほとんどないものがありましたね。

「暖かい・冷たい」とか
「近い・遠い」といった色彩の印象は
あまり個人差がないので、その色彩の側の
固有の印象と見なされます。

そんな印象を
色彩の「固有感情」と言ったのでしたね。

前回は、そんな色彩の「固有感情」の側面として

・「暖色」「寒色」「中性色」

・「陽気な色」と「陰気な色」

といった色彩の印象を取り上げたのでした。

 

今回はそれに続いて、

・「重い色」「軽い色」をご紹介します。

といっても、もちろん、色自体に
「重い色」「軽い色」もありませんから、

正確には、
「重く感じる色」「軽く感じる色」です。

嘘だろう、と思うかもしれませんが、
これがほんとうにあるんです。

「鉄10キロと
 綿10キロとどっちが重い?」(?_?)

という有名なジョークがありますよね。

子どものころ「鉄10キロ!」
なんて答えたことはありませんか?(^_-)

こういう“本能的”連想には、
ちゃんと学問的な名前もついていて、

「シャルパンティエ効果」といいます。

同じ重量の物体でも大きさが異なると、
体積の大きいほうが軽く感じられ、
体積の小さいほうが重く感じられる
という錯覚現象です。

1891年にドイツの
A・シャルパンティエという方が
発見したそうです。

 

 

 

 

それで、色の印象が与える
物体の見かけの軽重感ですが、
色彩の明度の影響が最も大きい
とされているようです。

色の正確な表示を目的に作られた
マンセル表色系という最も一般的な
表色系(色の分類枠)があります。

このマンセル表色系で
明度のN5を境にして
それより明度が高くなると軽く感じられ、
それより明度が低くなると重く感じられる
という報告があるようです。

まあ、同じ物体なら
色が白いほうが色が黒いよりも、
軽く感じられるというようなことです。

ある色彩学者が報告している
有名な実験というのがあって、
運搬する箱の色を黒から薄緑に変えたところ、
箱の中身は変わらないのに
工場で作業能率が上がったというのです。

作業員にとっては心理的に
箱が軽く感じられたのかもしれませんね。

ところで、
この「重く感じる色」「軽く感じる色」ですが、
先程の「シャルパンティエ効果」
必ずしも無関係ではないかもしれません。

そこでご紹介するのが、次の

・「膨張色」と「収縮色」です。

ファッションの世界で、
「白は太って見え、黒は引き締まって見える」
と言われているのはご存知ですよね。

というか、

おそらく、そんな常識は先刻ご承知で、
身につける衣装を選んでいらっしゃる
のだろうと思います。(^_-)

あるいは、

マンションの見学会などで、
同じ坪数なのに広さが違って見えたりします。

白木のような明るい床の部屋は広く感じられ、
ダークブラウンなどの床では
部屋が引き締まった印象になります。

こんなふうに、
同じ大きさの物体でも、
色によって大きさの印象が変わることがあります。

大きく膨らんで見える色を「膨張色」、
小さく縮んで見える色を「収縮色」といいます。

一般に、
明度の高い色が膨張して見え、
明度の低い色が収縮して見えるようです。

これには色相はあまり関係しないようです。

要するに、無彩色では白が、

有彩色では黄色がいちばん膨張して見え、
黒はいちばん収縮して見えるわけです。

となるとこれは、先程の
「シャルパンティエ効果」も考え合わせると
「重く感じる色」「軽く感じる色」の対比とも、
とても密接な相関関係がありそうです。

「鉄10キロと
 綿10キロとどっちが重い?」
 
という引っ掛けジョークは、
物質の連想に色の印象までからめた、
とても上手いジョークだったようです。(^^)/

「膨張」「収縮」という言葉を聞くと、
なんとなく目立つ、目立たない、
出しゃばり、引っ込み思案、
なんて対極も連想されてきますが・・・。

色彩にそういう印象要素ってあるんでしょうか?

あるみたいです。(^_-)

 

次にご紹介する色の印象極性は、

・「進出色」と「後退色」です。

実際はこちらから同じ距離にあるのに、
より前に(近くに)あるように

見える色と、

後ろ(遠く)に後退して見える色があるんです。

実際より前に見える色を「進出色」
後ろに見える色を「後退色」といいます。

 

一般的には、これは「色相」の影響が
大きいと考えられています。

赤や黄などの暖色系が「進出色」、
青など寒色系が「後退色」といわれています。

この色の印象効果の理由は、
「色収差(いろしゅうさ)」による
という説が主力のようです。

太陽の光をプリズムに通すと、
虹の七色の色の帯が現れることを
発見したのはニュートンでしたね。

この分光現象は色彩の波長に応じて、
それぞれの色でプリズム透過の屈折率が
異なることから生じています。

色収差(いろしゅうさ)というのは、
レンズなどで像をつくるときに、
レンズ材料の分散が原因で発生する収差で、
像の色ズレとしてあらわれるものです。

赤は長波長で、青は短波長ですが、
目のレンズを通過するときの屈折率が
長波長は鈍角側に、短波長は鋭角側に
ずれるわけです。

そのまま行くと、
屈折率が鈍角の長波長は網膜よりうしろに結像し、
短波長の青は網膜の手前で結像します。

ところが
人間の身体というのはすごいもので、
人間の目の水晶体はこの色のズレを
自動で再調整してくれているというのです。

赤はうしろに結んだ像を引き戻して
実際よりも前に結像させ、
青は前に結んだ像を引き戻して
実際よりも、うしろに結像させている。(@_@) ⌒★?

それで知覚像としての物体の形と色は
見事にピタッと決まりました。

そしてその結果の副次効果として、
「進出色」と「後退色」という
色彩印象効果が現われた、ということのようです。

なんと言ったらいいのか。(*^_^*)

この色が与える印象の項は、
調べるといろいろまだ内容がありそうです。

でも、あまり詰め込みすぎてもなんですから、
また次の機会にしようと思います。

 

これからも色彩に関する
基礎知識や心理的話題を取り上げて
ご紹介していくつもりです。

また次回も楽しみにしていただけたらと
思います。

m(_ _)m

pari 記

 


 
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