今年は、つい先日やっと梅雨が明けたと思ったら、もう8月8日には「立秋」がやってきます。
令和元年の夏は短い夏・・・というよりも長い長い梅雨でした。
ところで夏が旬の食材のひとつに「太刀魚」があります。
銀色で細長い体が「太刀」に似ていることが、この名前の由来だそうですが、体を縦にして、立って泳ぐためだという説もあるそうです。
いずれにしても、とても個性的な姿の魚です。
体長は1メートルを軽く越えます。
特徴的なのは、尾びれも腹びれも無く、背びれだけが頭から尾まで続いているということです。
そして、ウロコは無く、体全体はグアニン質という銀粉の層で覆われています。
このためメタリックな輝きを放ちます。
日本だけでなく、外国では「Cutlassfish」という呼び名があります。
湾曲した刃を持つ剣の「カットラス」から来ていて、まるで日本語の太刀魚をそのまま英訳したかのような名前です。
この体を覆っているグアニン質という物質、太刀魚から簡単に採れることから、昔はラメの材料になったり、人工真珠の加工に使われたりしていたそうです。
ラメも模造パールも、こんなふうに海の生き物からその輝きを分けてもらっていたとは、何か豊かな感じがして感慨深いです。
旬の味・太刀魚ですがクセのない白身の魚なので、シンプルに塩で焼いても、バターしょうゆ味などで
ソテーしても、また煮つけにしても、天ぷらやから揚げにしても美味しいです。
短いかもしれない今年の夏を、せめて美味しい太刀魚の料理で記憶に刻みたいと思います。
今回の季節で楽しむ日本の色は、太刀魚の色から「銀色」を選んでみました。
銀色とは本来、金属の「銀」から来ています。
金に次ぐ価値あるものとされ、今でもオリンピックなどで1位は金メダル、2位が銀メダルです。
以前、中古車をたくさん取り扱っている会社の方から、こんな話を聞いたことがありました。
シルバーの車はおおむね丁寧に乗られているので状態が良いことが多い、と。
そんなことからも銀色のイメージを思い浮かべることができます。
銀色のイメージとは、どんなものでしょう。
価値は高いのに控えめ、有能なのに自己主張が強くない、優秀な参謀役とか、忠誠心の強いナイト(騎士)とか、日本なら武士道精神とか・・・そんな感じではないですか。
いぶし銀、なんて言葉もありますね。
太刀魚でも「Cutlassfish」でも、刀や剣は銀色。
やはり色と精神はつながっているのです。
鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間
住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
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鮎沢玲子のオリジナルセッション
「色と星の錬金術」
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会場 栃木県宇都宮市「カラーズガーデン」
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