オーラソーマの授業ではまず「色の言語」を学びます。
オーラソーマのシステムはイギリスで生まれたものですが、日本人ならではの感性で「色の言語」をもっと深く探求できると思います。
そのことから連載中のこのコーナーでは、毎回「カラーローズ」のなかの1色を取り上げ、日本の色名や文化、歴史、季節感などと関連付けてご紹介しています。
今回取り上げるのは、プライマリーカラーのひとつである「イエロー」です。
日本の色で言うなら、この季節にふさわしい「菜の花色」を選びました。
「菜の花や月は東に日は西に」
与謝蕪村の句ですが、暮れなずむの景色のなかで、最後まで明るい光を放つように、目の前に広がる菜の花畑が思い浮かびます。
のんびりとした春の夕暮れ時。 一日の終わりに相応しい、平和な風景です。
菜の花色は、ほんの少し緑がかった鮮やかな黄色で、その名が示すとおり菜の花(菜種の花)の色を指します。
純粋な黄色というよりほんの少し緑が入った色を指すのは、一面に咲いた菜の花の間から、葉の色の緑が少しのぞく風景から、そうなったのかもしれません。
菜種から採れる菜種油は、古くから食用や灯火用に用いられ、日本人にとって身近な存在でした。
菜種油の色として、緑がかったくすんだ黄色を菜種色(なたねいろ)または油色(あぶらいろ)と呼び、色名としてはわりに古いものです。
菜の花色は、明治以降についた名前だそうで、比較的新しいものです。
江戸時代までは、採れる油にしか色名がついていなかったのに、明治以降には花の名前の色が生まれたというわけです。
もしかしたら江戸時代までは、菜の花は観賞するより、農作物のひとつという見方だったのかもしれません。
イエローは、色のなかでは最も目立つ色で、遠くからでも良く見えます。
道路工事中の看板や警告の表示など、注意を促したいときにイエローが使われるのはそのためです。
小学1年生の黄色い帽子や傘、ランドセルに掛ける交通安全用のカバーなど、4月の新入学の時期にはよくこの色を目にします。
街のなかでは、一面の菜の花畑など目にすることはめったになくなりましたが、その代わりに新一年生が身につけた黄色を見ると、春だなと思うことがあります。
未熟なことを「くちばしが黄色い」と表現したり、「ひよこ」などと言ったりしますが、これらは若くて発展途上の状態であることを黄色にたとえた表現です。
4月は、小学一年生と菜の花色のイエローが、自然に結びついてしまう季節です。
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール 有限会社「カラーズガーデン」代表。 英国オーラソーマ社公認ティーチャー。 栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。 中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。 2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。 2006年より公認ティーチャーとして活動中。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
———————————— 英国オーラソーマアカデミー認定講座 レベル1 日程 2013年5月14日~16日、28日~29日 (火・水・木曜日)全6日間 会場 カラーズガーデン(栃木県宇都宮市清原台) 再受講料金 60,000円 (カラーズガーデン以外でレベル1を受講の方) お申込み・お問合わせ カラーズガーデン:c_garden@sea.ucatv.ne.jp TEL:028-667-8006
色見本参考: http://www.colordic.org/colorsample/2139.html http://www.colordic.org/colorsample/2412.html
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