日本の暦では季節を表すものとして「七十二候」があります。
今回は、この暦の話からはじめたいと思います。
日本には春夏秋冬の四季がありますが、もっと細かく一年を24等分にしたものが「二十四節気」です。
立春、立夏などの他に、清明や穀雨、小寒、大寒など、約15日をひとつの「節気」として季節の移り変わりを表しているのです。
この二十四節気を、さらに約5日ずつの3つの期間に分けたものが「七十二候」です。
たった5日間ですが、草花や鳥や虫、空の様子、地面の様子などを短い文言に活き活きと表現しています。
もう間もなく、二十四節気の「小暑」がはじまります。
だいたい7月7日からの15日間です。
はじめて「暑」の文字が使われます。
夏至で太陽のエネルギーが最高潮に達したあと、その熱量が地上に届き、いよいよ暑さが本番を迎えるのです。
私は、小暑の次候(初候・次候・末候と分かれているので、2番目の候のこと)がとても好きです。
「蓮始開」はすはじめてひらく・・・ちょうどこの時期、蓮池の蓮の花が咲きはじめます。
泥のなかからまっすぐに茎を伸ばして、水面に大きなピンク色の花を咲かせる様子は、清々しく神聖さを感じさせます。
蓮の花に神聖さを見た証しとして、仏教では聖なる花として仏様が載っていますし、「阿弥陀経」という経典のなかでは極楽には蓮の花が咲いていると説いています。
古代エジプトでは蓮は復活の象徴とされましたし、インドでも神聖な花とされ、ヒンドゥー教の神話や経典のなかにたびたび描かれています。
蓮の花について調べていて、興味深いことに出会いました。
第二次世界大戦中の日本で、燃料不足を補うために東京都が湿地帯の豊富な草炭の採掘をはじめました。
戦後もそれが継続して行われていたときのこと。
作業員が丸木船と櫂を掘りだし、研究機関で調べた結果、発掘品のなかに蓮の果托があることがわかります。
さらに調べて年代を特定したところ、約2000年前のものであることが判明。
蓮の研究者であった大賀一郎氏が苦労の末、発芽させることに成功します。
繁殖した「大賀ハス」は移植され、今では全国各地の蓮池でその花を見ることができるそうです。
蓮の花の果実はとても皮が厚く、発芽する能力を非常に長いあいだ保持しているとのことですが、それにしても2000年も前の種から花が咲くとは、驚きです。
オーラソーマのなかに、「B71 エッセネボトル2/蓮の花の中の宝石」というボトルがあります。
https://artbeing.com/aura-soma/equi/B071.html
上層はピンク、下層はクリアで、水面から伸びた茎にピンク色の花を咲かせている蓮を思わせます。
エッセネ派は、今から2000年あまり前に存在したユダヤ教徒の一派で、キリストとの関連があるとも言われています。
日本と中東、遠く離れてはいますが、約2000年前の蓮の花が現代にふたたびよみがえり、日本のあちこちで花を咲かせていることを思うと、蓮とエッセネ派は、何か見えないものでつながっているのではないかと感じます。
ところで、蓮の花の色を表す日本の色名を探したのですが、残念ながら蓮の花は色名になっていませんでした。
万葉集のなかに蓮は詠まれているのですが、なぜか花よりも葉の歌の方が多いのです。
英語なら「Lotus Pink」
中国語なら「荷花白(プーホアパイ)」
ならば、オーラソーマのボトル「B71」のピンク色に最も近い色を・・・と探しました。
見つけたのが、淡紅色(たんこうしょく)です。
紅に白を混ぜた淡い紅色。
開花したらわずか3、4日しか咲かないという蓮の花のはかなさに、この色は似合っていると思うのですが、どうでしょう。
鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間
住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
————————————–
鮎沢玲子のオリジナルセッション
「色と星の錬金術」
プラクティショナー養成講座(2日間コース)
日時 2019年7月24日(水)~25日(木)
会場 栃木県宇都宮市「カラーズガーデン」
詳細はこちら。
https://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/entry-12463654762.html
色見本参考:https://www.colordic.org/colorsample/fadce9.html