鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 ≪【利休色】りきゅういろ≫

今年は閏年(うるうどし)で2月29日までありました。
1日得をした気分ですね。
ところで1591年(天正19年)2月28日は、茶人・千利休が没した日です。
仕えていた豊臣秀吉の命令で自害したといわれますが、その理由は謎に包まれたままです。
1ヶ月遅れの命日として、茶の湯の世界では利休の遺した業績に思いをはせ、御霊を供養する「利休忌」という茶会が、京都の大徳寺で開かれます。
表千家は3月27日に、裏千家は28日に開くことになっているそうです。
千利休(せんのりきゅう)は、中世末期、戦国時代、安土桃山時代にかけて活躍した有名な茶人。
千利休
織田信長に登用され、本能寺の変の後には豊臣秀吉に仕える。
なにも削るものがないところまで無駄を省き、緊張感を作りだすという「侘び茶(草庵の茶)」の完成者として知られています。
草庵の茶室
「侘び」の美意識を重んじ、禅の「枯淡閑寂」の精神を求めました。
それは、ひっそりとしていて寂しく、あっさりしたなかに深い味わいがあること。
実は、この利休の名を冠した色名がいくつもあるのです。
たとえば、利休茶、利休白茶、利休鼠、利休生壁(なまかべ)、などです。
利休茶、利休白茶、利休鼠、利休生壁
これらの色は「利休好み」と表現されることが多いのですが、残念ながら、この色が生まれたのは江戸時代。
本当に好みの色であったかどうかはわかりません。
この時代は、茶色の流行に乗って、さまざまな色の名前が誕生したのです。
利休色は、渋く穏やかな灰色みの緑色のことで、抹茶を連想させます。
利休色
色の表現として、緑色がかった形容に「利休」が使われています。
利休茶は緑みの茶色で、それが薄くなると利休白茶になります。
いずれにしても「侘びさび」の雰囲気を持った、枯れた感じの色に使われます。
個人の名前が、これほど色名に使われている例はほかにありません。
没後四百年以上を経ても色褪せない人気からか、現代でも利休を主人公にした映画やドラマなどが頻繁に作られています。

もし、春の京都に行く機会があれば、利休の足跡を訪ねてみるのもいいかもしれません。
秀吉との間にいったいなにがあって、どんな思いで利休は自害したのだろうか。
私たち日本人の美意識に今も影響を与えている千利休に、思いをはせるにはいい季節かと思います。
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール 有限会社「カラーズガーデン」代表。 英国オーラソーマ社公認ティーチャー。 栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。 中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。 2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。 2006年より公認ティーチャーとして活動中。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
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その他のスケジュールはこちらで確認できます。
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色見本参考: http://www.colordic.org/colorsample/2153.html http://www.colordic.org/colorsample/2119.html http://www.colordic.org/colorsample/2306.html http://www.colordic.org/colorsample/2158.html http://www.colordic.org/colorsample/555e43.html
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