鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 ≪【柳色】やなぎいろ≫

3月から4月にかけて、柳の葉は、こんな淡い黄色みのある緑色になります。

柳色

柳の枝は軽く、春のやさしい風にそよぎます。
垂れた枝が黄緑色の若い芽をつけて揺れるのを見ると、まさに春が来ていると感じます。

柳

松任谷由実(ユーミン)さんの代表曲(ハイファイセットもカバーしました)に、「卒業写真」があります。
この季節になると毎年聴きたくなる曲です。


その歌詞のなかに「話しかけるように揺れる柳の下を・・・」という部分があります。
おそらく高校を卒業した主人公が、片思いをしていた同級生に、もう会うこともなくなり、柳の木の下を歩いて通った通学路も、もう電車から見るだけになってしまった・・・そんな情景が目に浮かびます。
春の柳を歌に歌ったのは、ユーミンだけではありません。
古くは中国では、若い芽をつけた柳の細い枝が揺れるさまを「麹塵(きくじん)の糸」と表現しました。
麹塵とは麹黴(こうじかび)の色で、高貴な色とされています。
生命の息吹を感じる気持ちが、麹菌との連想を生んだのかもしれません。
その考えが日本にも伝わり、麹塵は天皇が特別な儀式のときにだけ着用する衣服の色となりました。
緑青に抹茶を混ぜたような神秘的な魅力のある色です。

麹塵

話を柳に戻します。
唐の都長安では、通りの並木に柳を使っていました。
当時、唐の文化を取り入れていた日本も、それにならって奈良の平城京も京都の平安京も大通りには柳が植えられていたそうです。
万葉集をはじめ、以降の和歌にも、たくさん柳のことが詠まれていたのもうなずけます。
柳色のバリエーションとして、柳茶、青柳茶、草柳茶、裏葉色、裏柳、裏葉柳、などたくさんあります。
このことからも柳が人々の生活に深く根ざしていて、季節を感じさせる木であったこともわかります。

柳

春の息吹にあふれた季節、あなたのまわりにもあるかもしれない柳の枝に、ちょっと目を向けてみませんか。
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール 有限会社「カラーズガーデン」代表。 英国オーラソーマ社公認ティーチャー。 栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。 中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。 2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。 2006年より公認ティーチャーとして活動中。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
———————————— 英国オーラソーマアカデミー資格講座 レベル1 日程 2015年4月26日(日)、29日(祝水)、          5月2日(土)~5日(祝火)全6日間 会場 栃木県宇都宮市 カラーズガーデン 講師 鮎沢玲子 お申込み・お問合わせ reiko@colors-garden.jp TEL:028-667-8006
その他のスケジュールはこちらで確認できます。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
色見本参考: http://www.colordic.org/colorsample/2126.html http://www.colordic.org/colorsample/2117.html
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