鮎沢玲子さんの日本の色で学ぶオーラソーマ  ≪クリアー(ホワイト)≫

オーラソーマの授業では、まず「色の言語」を学びます。
オーラソーマのシステムはイギリスで生まれたものですが、日本人ならではの感性で「色の言語」をもっと深く探求できると思います。
そのことから連載中のこのコーナーでは、毎回「カラーローズ」のなかの1色を取り上げ、日本の色名や文化、歴史、季節感などと関連づけてご紹介しています。
今回取り上げるのは、カラーローズの中心に位置する「光」である「クリアー」または「ホワイト」です。
日本の色名で「白」がつく名前には、さまざまなバリエーションがあります。 「純白」「真白」「鉛白」「月白」「乳白」「灰白」「銀白」など。
ほかに日本画に使われる顔料からついた色名「胡粉」(ごふん)も白い色です。「胡粉」とは、胡の国(中国の北方や西方を指す)から来た粉という意味で、はじめは鉛から作っていましたが、後に貝殻を焼いて作るようになりました。

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胡粉は日本画を描く際にベースに使われることが多く、いわばファンデーションの役割です。絵を描きはじめる前の素地として白い胡粉を塗る作業は、まさに新しいスタートを象徴しているかのようです。
また日本語の表現には、たくさんの「白」を使った言葉があります。
たとえば「清廉潔白」「明白」「白紙の状態」「白黒はっきりさせる」「白星」などです。
これらの言葉からもわかるように、日本語での「白」は、明晰性や善なるもの、リセットなどを意味するときに使われます。
リセットで代表的なのは、花嫁衣装の白と、死装束の白でしょう。 どちらも過去の自分に別れを告げて、新しい世界へ旅立つときに着る衣装です。

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ところで日本の神道では、神の使いである眷属神(けんぞくしん)とされる動物(鹿、鳩、龍、蛇、狐など)があります。
神社によって決まっていて、たとえば鎌倉の鶴ヶ丘八幡宮なら「鳩」ですね。これらの動物はみな白い色をしています。 これは神とのつながりを意味する「神聖さ」の表現です。
ほかに神道の神官が身につける装束もまた、神聖さを表す白です。 幣束(へいそく)といってお祓いをするときの祭具(木に折りたたんだ紙をはさんだもの)にも、白い紙が使われます。 白い色のものを振って、邪気を払い清めます。

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最近は一般的によく知られていますが、場所のエネルギーを浄化するのに「盛り塩」という方法があります。 実践しているかたも多いかもしれませんね。 これは塩=白色による浄化、リセットです。

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このように数えあげればきりがないほど、日本における「白」はオーラソーマの色の言語とぴったり一致しています。
オーラソーマの授業のなかでも、生徒さんたちに「白」「クリアー」の色の言語を上げてもらうと、ほかの色に比べていつもスラスラと出てきます。
日本語表現をはじめ、日本の文化や宗教、日本人の死生観などと「白」は密接に関係していて、多くの人にとって身近な色であると言えます。
あなたのまわりにある「白いもの」が持つ意味・・・あらためて見直してみませんか。
きっと新鮮な発見があると思います。
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール 有限会社「カラーズガーデン」代表。 英国オーラソーマ社公認ティーチャー。 栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。 中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。 2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。 2006年より公認ティーチャーとして活動中。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
色見本参考: http://www.colordic.org/colorsample/2284.html

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