鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 ≪氷色≫

あけましておめでとうございます。
2014年の元日にお読みいただく、最初の記事が「日本の色」をテーマにしているのは偶然ではないように思います。
お正月には「日本人であること」を思いださせてくれるものがたくさんあります。
門松(かどまつ)や注連(しめ)飾り、和服や和食のおせち料理、デパートのBGMさえもお琴の音色。
このコンテンツを通して「日本の色」と「オーラソーマ」の間に、より鮮やかな橋を架けていきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いします。
さて今回は、真冬ならではの色・・・「氷色」です。
氷
一年の大半を、雪と氷に囲まれて生活するエスキモーたちは、白い色を区別する言葉だけで、数十種類も持っていると聞いたことがあります。
佐藤邦夫著「日本列島・好まれる色 嫌われる色」によると、色を見分ける能力は、18歳くらいまでの生育環境で決まるのだそうです。
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色の経験値が高いほど、色を見分ける能力は身につきますが、太陽光線や湿度、日照時間といった自然環境の違いも大きく影響します。
この本のなかの記述です。
ある美術大学で、学生にポスターカラーで色相通りに色を塗るという授業をしたところ、出身地により大きな違いが見られたそうです。
主に東日本出身者は寒色系(緑、青緑、青、青紫)を正確に見分け、西日本の場合は暖色系(赤紫、赤、橙、黄)が得意だということがわかりました。
日本は南北に長い国土であることから、単一民族でありながら色の好みは他に類を見ないほど多様なのだそうです。
四季の変化により、同じ場所でもさまざまな光線の違いを体験することができ、自然に色彩感覚が磨かれます。
著者によると、日本は「色彩超大国」だと言います。
平安時代において「氷色」は、冬の装束のなかで格別な思い入れを感じる色です。
「かさねの色目」と言って、平安貴族たちは衣を何枚も重ね着し、そこに現れる配色に名前をつけました。
かさねによって季節感を表現し、着用する時期を定めています。
襲の色目
「氷」と名づけなれたかさねは、光沢のある白い薄物の下に、また白を着て、まるで幾重にも重なった氷の層のよう。
氷の冷たさを白一色で表しています。
また、同じ白の薄物でも、下に紅梅色(薄い紅色)の衣を着るのが「雪ノ下」
白紅梅色
白い生地の下に紅色が透けて見え、梅の花にうっすらと積もった雪をイメージさせます。
どちらも冬のかさねの傑作です。
真冬の時期、一見すると自然界には色が少ないように感じます。
しかし、氷の色、雪の色、霜が降りた草の色、雪をいただいた山の色・・・。
雪うさぎ
似たように見える色の違いを見極める目を養うチャンスのとき。
あなたの身近にあるさまざまな色に、繊細な目をそっと向けてみてください。
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール 有限会社「カラーズガーデン」代表。 英国オーラソーマ社公認ティーチャー。 栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。 中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。 2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。 2006年より公認ティーチャーとして活動中。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
———————————— 英国オーラソーマアカデミー認定講座 シェアリングディ 「日本の色で学ぶオーラソーマ」(2回開催) 日程 2014年1月13日(祝月)、17日(金) 時間 10:30~18:00 会場 カラーズガーデン(宇都宮市清原台)JR宇都宮駅から送迎可 費用 13,000円(税込) 講師 鮎沢玲子 ※オーラソーマ・レベル1修了以上の方が対象です。 ※プラクティショナー更新プログラムに対応(6時間) お申込み・お問合わせ カラーズガーデン c_garden@sea.ucatv.ne.jp TEL:028-667-8006 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
参考HP:かさねの色目と日本の色 http://www.mode-japonesque.com/mj/kasane/index.html
色見本参考: http://www.colordic.org/colorsample/2282.html http://www.colordic.org/colorsample/2025.html
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