鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色≪【嫩黄色】どんこうしょく≫

 

もう6月ですね。

6月といえば今年も「梅雨入り」がいつになるのか気になります。

日本の暦の上での「入梅」というものがあります。

旧暦では、二十四節気の「芒種」(ぼうしゅ)のあとにくる「壬(みずのえ)の日」「入梅」と定義しています。

年によって多少違いますが、だいたい6月11日ごろで、これは気象庁の梅雨入り宣言の日とはまた別なのです。

梅の実が熟すころなので「梅雨」と名付けたセンスは、実に秀逸です。

 


一説には、この時期は湿度が高く黴が発生しやすい、そのことから「黴雨」(ばいう)と名づけたものが、のちに同じく「ばい」と発音する「梅」の文字に転じたとも言われます。

確かに6月は梅の実を収穫して加工する時期です。

きっと梅が身近に感じられたのでしょう。

湿気の多い6月に「黴」の文字を見るより「梅」の文字を見る方がずっと気分がいいです。

青梅の爽やかな色合いや、梅酒や梅シロップなどの美味しさを連想するだけでも、ずいぶん幸せになれます。

これは昔の人に感謝したいです。

日本の色名で、梅の実にまつわるものはないか探してみたところ、梅の花からついた名前ならたくさんありました。

「梅鼠」「梅紫」「栗梅」など。

 


そして、梅の木の樹皮や根を使った染色方法からついた名前もありました。

「梅染」「梅谷渋」です。

 


でも、梅の実を表す色が見当たりません。

梅の実を連想させる色はないものか。

やがて、これはと思う色を見つけました。

「嫩黄色」(どんこうしょく)・・・穏やかでやさしい感じがする淡い黄色です。

 


この色は、固い青梅でもない完熟になった黄金色の梅でもない、ちょうど中間の少し熟して黄みがかった状態の梅の実を思わせます。
 


私は長いこと日本の色について調べたり書いたりしていますが、まだ知らない色があることを痛感しました。

私は今回、初めてこの色の存在を知ったのです。

「嫩」(どん)とは、穏やかさ、若さ、弱さ、美しさを意味するそうです。

この文字は、植物が発芽して最初に出てくる「双葉」を表しているとか。

「嫩黄色」とは、若く初々しい感じがする、穏やかな薄い黄色のこと。

梅の実が少しだけ熟して柔らかくなったところを思い浮かべてみてください。

この色は、そんなやさしい黄色です。

オーラソーマのボトルに例えると、ペールイエロー「クツミ」かしら。

 

http://artbeing.com/aura-soma/equi/B051.html


梅雨に入るとじめじめして、気分がふさぎがちになる人もいるかもしれません。

テレビをつければ天気予報で「梅雨前線が日本列島を・・・」みたいなフレーズを何度も聞くかもしれません。

でもね、「黴雨」でなくてよかったじゃないですか。

「梅の季節の雨」ですよ。

黴に比べたらダントツに爽やか。

 

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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。

http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/

 

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英国オーラソーマアカデミー資格講座 レベル1(水木コース)
日程 2017年6月14日~15日、21日~22日
      7月12日~13日 全6日間

会場 栃木県宇都宮市宝木町 カラーズガーデン
費用 136,500円 (税込・テキスト代・修了書含む)
※再受講/64,800円(税込)
講師 鮎沢玲子

お申込み・お問合わせ reiko@colors-garden.jp

その他のスケジュールはこちらで確認できます。

http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/

 

 

色見本参考:

http://www.colordic.org/colorsample/e8eaa8.html

 

 





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