鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 ≪【欝金色】うこんいろ≫
いまや日本の国民食になっている感もある「カレー」が食べたくなる季節ですね。
カレーの材料に欠かせない香辛料のひとつに、ターメリックがあります。
カレーの黄色を作りだしているのは、ターメリックの働きです。 (正確には苦みの少ないほうの秋ウコンを使います)
ショウガ科の植物であるターメリックの根茎を粉末にすると、染料になります。それが「鬱金」で、やや赤みのある鮮やかな黄色に染まります。
ターメリック(欝金)は、染料でもあり食品でもあるのです。
欝の文字はとても難しい字ですが、「よく茂っている」という意味を持っています。
金は黄金色や黄色を表しています。
黄色は富や幸福の象徴の色として、特に派手で目立つことを好んだ江戸前期には、緋色(黄みのある濃い赤)と並んで江戸の流行色であったようです。
欝金で染めた黄色い木綿を「欝金木綿」といいますが、これには殺菌作用や抗炎症作用があることから、赤ん坊の産着に使われたりしました。
また、防虫効果もあることから、着物の反物や茶道具など、高価なものを欝金で染めた布に包む習慣もありました。
その名残は今も残っていて、本物の欝金染めでないにしろ、香炉や茶の湯の茶碗などが黄色の布に包まれて桐箱に入っているのを、見たことがある方はいるのではないでしょうか。
欝金色には、色としての存在意義だけではない、確かな有用性を見る思いがします。
ところで欝金色のような鮮やかなイエローには、「幸せ」や「喜び」といった色の言語があります。
日本映画の「幸せの黄色いハンカチ」は、そんなイエローの幸福感を最大限に表現した作品といえるでしょう。
光にも例えられるイエローは、前向きで、輝いていて、希望に満ちた心を表します。
また、左脳を活性化させる、つまり論理的な思考に役立つ色だという説もあります。
オーラソーマでも、イエローは「知識」や「知性」を表しますが、その根拠はこんなところにもあるのかもしれませんね。
ターメリックを使った黄色いカレーを食べて、この夏を元気に過ごしましょう。
ますますイエローの光と喜びに溢れた季節になりますように。
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール 有限会社「カラーズガーデン」代表。 英国オーラソーマ社公認ティーチャー。 栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。 中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。 2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。 2006年より公認ティーチャーとして活動中。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
色見本参考: http://www.colordic.org/colorsample/2169.html
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