日本の暦には「二十四節気」というものがあります。
1年を二十四等分して、それぞれに季節を表す言葉がついています。
中国を発祥として日本に伝えられました。
3月21日から4月4日ごろまでは「春分」でした。
春分の日からはじまるのでこれはわかりやすいですね。
その次が4月5日から19日ごろまでで「清明」(せいめい)です。
清明とは「清浄明潔」という言葉を初略したものだそうで、すべてのものが清らかで生き生きしている様子を表しています。
太陽の光が明るさを増してくる時期です。
若葉が芽吹き、花々はほころび、大地は生命力に満ちあふれています。
「清明」の次が、4月20日ごろから5月4日頃までで「穀雨」です。
占星術では穀雨のはじまりが牡牛座のはじまりです。
「穀雨」とは、穀物の実りを促す雨のこと。
豊かさを意味する牡牛座には、ぴったりなイメージです。
子どものころの記憶ですが、私の実家ではよく「穀雨」という銘柄の日本茶を飲んでいました。
それが二十四節気の名前であることを知るのは、かなり大人になってからでした。
茶摘みで知られる「八十八夜」は穀雨の終わりごろです。
八十八夜は日本独自の雑節で、立春から数えて88日目のこと。
例年なら5月2日ごろです。
もしかしたら、お茶がこの時期に摘まれることから「穀雨」と名づけたのかもしれません。
お茶のことが気になったので、さらに調べてみました。
そもそも日本にお茶が伝来したのは中国から。
すると、中国茶には穀雨や清明と関連した呼び方があることがわかりました。
穀雨より前に収穫されたお茶を「雨前茶」といい、一番茶として人気があるとか。
そしてさらに、もっと早く収穫されるのが、清明の前に摘まれた「明前茶」です。
早く摘み取るということは収穫の期間も短く、それだけ茶葉も小さく希少なものと言えるでしょう。
日本のお茶であっても中国茶であっても、新茶をいただくのは気分の良いものです。
今回は、草木の若い芽を表す色「若芽色」を取り上げました。
摘み取られたばかりの茶葉の色のようでもあり、またはそれをお茶として淹れたときの清々しく薄い緑色でもあります。
オーラソーマではグリーンに「スペース」という意味があります。
新年度がはじまるなど4月は何かと気ぜわしい時期ですが、お茶を楽しむほっとする時間を作りたいものです。
できれば丁寧に淹れて。
そんな一杯のお茶が、私たちの心にスペース(余裕)をもたらします。
鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間
住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
色見本参考:https://www.colordic.org/colorsample/2409.html