幸せづくり  それぞれの「私」にある七つの方法

表題のタイトルは副題で、本当の本のタイトルはこちらです。
「ついに悟りをひらく」 七覚支瞑想法 by A スマナサーラ
ついに悟りをひらく―七覚支瞑想法 (シリーズ自分づくり“釈迦の瞑想法” (4))/A・スマナサーラ ¥1,050 Amazon.co.jp
「知識や頭の良さだけでは本当の幸せを得られません! あなたの心に眠っている幸せエネルギーを喚起し、瞑想による未知なる世界をひらく脅威の知恵「七覚支」その方法を初めて公開する」 と帯には書かれています。
A スマナサーラの言葉によると、「悟りに至るには七つの部分があって、その七つをまとめたら、心の中で悟りが体験できる」という瞑想です。
この七覚支というのはヴィパサナ瞑想を修行する人がどこまで進んでいるのか、いないのか、どこでバランスを崩して、どこに問題があるのか、瞑想のスランプをチェックし、抜けだすのにとても役立つのだそうです。
つまり、お釈迦様が言っている超越した悟りという境地までいくには、ふつうのヴィパサナ瞑想法ではなかなか心は進化しないので、段階的に自分の心の状態や瞑想を確認する方法が必要であり、この教えは着実に行うための指南書とも言えそうです。
この本で面白いと思ったのは、私たちが解脱するというのは、水に住む魚が陸上で生活するぐらいに進化を遂げる必要がある、という喩えです。
つまり、それぐらいに難しいことで、瞑想はそのように人間が成長し、さらに進化を遂げるためのものである、という認識です。
そのための瞑想ですから、簡単なわけはないのですが、でもその瞑想も、段階的に、きちんと進んでいくことができれば、それが喜びになる、という、その段階的方法が、具体例を交えて書かれてあります。
七覚支の第一歩は「念覚支」。 いわゆる正覚ということで、正しく悟ということ。
その正しく悟るための第1番目のステップが「サティ」。 「念」というのはここでは「気づく」という意味です。
何に気づくのか? 
それは「ただ気づく」ということなのですが、具体的には、歩くこと、立つこと、坐ること、呼吸すること、あらゆる現象を、細密に、厳密に気づいていくことです。
2番目が「択法覚支」 1番目がうまくいくと自然に2番目が出てくるようになっています。
つまり、サティによって現象に気づくようになってくると、曽於現象がより明確に見えてて来るようになってくることをいっています。 Ah Hah 体験というか、あ、そうだったのか、という気づきが生まれてくる段階です。
そこでは、意識の働き、心の働きが明確に見えてくる。 そうなると、怒ろうと、気持ちよくなろうと、暗くなろうか、明るくなろうか、落ち込もうと、それらはすべて本人の勝手で、自分の意志でやっていることになるのだそうです。 それらはすべて自分の責任で、そういうことの因果の法則が見えてくることになります。
そしてまた、心の働きと物質の働き、精神的なエネルギーの波と物質的なエネルギーの波にも気づくようになってきます。
そうすると心と体の働きの区別についても明確に見えてくる。 そうると、厳密にいうなら、不可抗力や老化などは別にして、たいていの場合病気になることさえ、自分で病気になりたいのだから病気になるのだそうです。
そして、自分の心の妄想や無常観、苦や実体がないこと等にも気づいていくことになります。
これらの気づきが自分で自然にできるようになっていけば、次の段階に行けるのですが、その気づきがうまくいかないと、そこでスランプになってしまいます。
そこで、A・スマナサーラは仏教の説法を、とことん聞くことが助けになると言っています。
つまり、説法をとことん聞くことで、自分の世間的な概念は全部破って、強引にでも新しい視野を作らなくてはいけない、と。
非常に具体的なアドバイスが随所にあって、瞑想をしている人にはとても役立つ本だと思います。
尚 記
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