抹茶色は茶道のお点前で使われる、あの「お抹茶」の色。
実際には「お抹茶」を飲んだことがない人でも、この色はよく知っていますよね。
日本人は、本当に抹茶味が好きです。
たとえばコンビニのスイーツのコーナーを見たらわかります。
羊羹やどら焼き、あんみつなどの和菓子はもちろん、アイスクリーム、ロールケーキにプリンなどの洋菓子にも抹茶は使われており、その種類の多さに驚かされます。
コーヒーショップに行けば、もはや定番となった抹茶ラテがあり、ドリンクにも抹茶は浸透しています。
これほどまでに現代の味覚と融合した、いえ、それにとどまらず日々「進化」している食材は、ほかにないのでは? と思ってしまいます。
見た目にもインパクトのある強い黄緑色と、甘さを引き立てるほろ苦さと、日本の粋を感じさせるお茶の香り、抹茶には「色・味・香り」の三拍子そろった魅力があります。
また、わらび餅のように外側にまぶしても良し、洋菓子のクリームやケーキの生地などに練り込んでも良し、溶かして甘みをつけてドリンクにしても良し、と使い方も自由自在です。
日本人とお茶のつながりは古く、中国からお茶が伝来したのは8世紀の終わりごろとされています。
しかし、まだこの時点で粉末にする技術はなく、茶葉をお湯に入れて飲むだけでした。
当時のお茶は嗜好品ではなく、眠気を覚ます薬のような役割りにすぎませんでした。
抹茶としての飲み方が伝わったのは、鎌倉時代。
栄西という僧が、今の中国、当時の「宋」の国に留学し、抹茶の製法や効能、飲み方などのノウハウを持ち帰りました。
これを著した『喫茶養生記』は鎌倉幕府の3代将軍・源実朝に献上され、抹茶は薬として盛んに飲まれるようになりました。
僧・栄西から、日本の「抹茶」の歴史がはじまったのです。
茶葉を粉末にする専用の石臼「茶臼」が発達し、抹茶に適した茶葉を栽培する農法が進歩していきます。
特に京都市宇治で、日本独自の栽培法が生まれました。
寒かった宇治では、茶摘みの前に、霜よけのためにわらで作った傘をかぶせていましたが、それが美味しい茶葉になる決め手となりました。
今も宇治の抹茶が有名なのは、こんな歴史があったからなのですね。
一方、大名たちは茶会を通じて客人をもてなしたり、富や名声を誇示したり、戦国時代の戦略と「茶の湯」が結びついていきます。
この歴史のなかで、千利休が登場してくるわけです。
そこから500年近く経った現代、抹茶がこれほどまでに庶民の生活に根づき、しかもお茶というよりお菓子に欠かせない材料になっているとは・・・。
私たちの文化は姿形を変えて脈々と続いています。
この「抹茶色」という名前も同様に、何百年も続いているのです。
鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
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英国オーラソーマアカデミー資格講座 レベル2
日程 2016年10月18日~19日、
11月8日~9日、15日~16日
(水木コース/全6日間、36時間)
時間 10:30~18:00
会場 栃木県宇都宮市宝木町 カラーズガーデン
費用 142,000円 (税込)※再受講は半額
定員 6名
講師 鮎沢玲子
お申込み・お問合わせ reiko@colors-garden.jp
その他のスケジュールはこちらで確認できます。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
色見本参考:
https://www.colordic.org/colorsample/2144.html