鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色≪【緋色・火色】ひいろ≫

あけましておめでとうございます。

2023年も「季節で楽しむ日本の色」を書かせていただきます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

年末のことです。

何年か振りに、対流式の石油ストーブを物置から出してきました。

どうやらこの冬は例年以上に寒いらしいということと、
昨今の燃料費の上昇に少しでも対処しようと思ってのことでした。

昔からデザインがあまり変わらない筒型のストーブです。

上にヤカンなどを載せてお湯を沸かすこともできますし、
なにより電気を使わないことが新鮮に感じます。

ガラス越しに炎を見ているとなんとも言えず癒されます。

ついついぼーっとしてしまい何もせずに時間が過ぎて行きますが、
こんな感覚は久しぶりと思いました。

人はなぜ火を見ていると癒されるのか?

一説には、遺伝子に組み込まれているかららしいのです。

原始時代、人間だけが火を使えるようになりました。

寒い時は暖を取り、
食べ物を火で調理することができるようになりました。

一方で獣は火を恐れます。

火があることによって人間は獣から身を守り、
安心して休むことができたのです。

これが、揺らぐ炎を見ていると
心が落ち着く理由と聞いて納得しました。


ところで、日本の色名で「火色」というのがあります。

平安中期から使われた色名です。

同じ色で同じ音の「緋色」の方が、
より知られているかもしれません。

「火色」も「緋色」も同じ強い赤を指します。

一文字「緋」と書いて「あけ」と読みます。

これも赤のことです。

推古天皇の時代には、紫に次ぐ高い位の色でした。

このように日本の色では、
同じ色でも違う名前で呼ぶことが度々ありました。

平安時代には「緋色」のことを
別名「思色」(おもいいろ・おもいのいろ・おもひいろ)
呼んでいたそうです。

人を思う気持ち(火のように燃える恋心)を
色の名前にしたのですから、
さすが貴族の時代だと思いませんか。

久しぶりに身近に火がある(見える)生活を送っています。

ただそれだけのことなのですが、
何か地に足がついたような感覚を覚えます。

その火で煮炊きができるせいもあるのかもしれません。

「火色」はレッド。第1チャクラの色です。

サバイバル、生存に関わる色です。

四元素のひとつである
火のエレメンタルが補給されたようにも感じます。

ファンヒーターや電気の暖房でなく、
シンプルに火に温めてもらうことには、
意外な恩恵がありました。

これからの季節が楽しくなりそうです。

 

鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/

また、シンガーソングライターの一面も持っています。
6月に初のオリジナルアルバムのCDをリリースしました。
作詞作曲はもとより、ジャケットのイラストも自身の作品です。

 

「烏兎匆匆」
全7曲入り/1500円(税込)
こちらからオンラインで購入できます。
https://reiko-ayusawa.com/
当分の間、送料無料です

 

色見本参考:https://www.colordic.org/colorsample/2267