鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 ≪【女郎花色】おみなえしいろ≫
「女郎花色」は、その緑色がかった黄色い花の色からついた色名です。
女郎花といえば秋の七草のひとつですが、「万葉集」に収められた山上憶良(やまのうえのおくら)のこんな二つの歌から、秋の七草は定められたそうです。
「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり) かき数うれば 七種(ななくさ)の花」
「萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌(あさがお)の花」
最後のあさがおの花だけが、なにを指すのかはっきりしないそうですが、桔梗という説が有力です。
ちなみに尾花とは「ススキ」のことです。
春の七草は七草粥にして味や香りを楽しみますが、秋の七草は植物の美しさを観賞します。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%83%E8%8D%89
花々が咲く野原を散策して短歌や俳句を詠むことが、古来より行われていたことだそうです。
これといった行事ではなく、花を摘むこともせず鑑賞して歌を詠む・・・なんと風流なことでしょう。
女郎花の語源には諸説あります。
たとえばひとつは、おみなへし(女郎減し)。
女郎(おみな)とは女性のことで、「そばにいる女性の魅力が半減してしまうほど美しい花」というところからついた名だそうです。
正直私には、そんなに迫力がある花には思えないのですが・・・。
また東北地方では、小さな花が固まって咲く様子が粟飯に似ているとされ、白米を男飯、粟飯を女飯(オンナメシ)と呼んだことから、それが転じてオミナエシとなったともいわれます。
白米は男で粟が女だなんて、ちょっと複雑な気持ちになります。
春に咲く花、たとえば「菜の花色」のような無邪気で快活な黄色と較べると、「女郎花色」は、どこか儚げで寂しい色に思えます。 *菜の花色→
秋風に揺れる女郎花。
語源はどうであれ、その花の姿には控えめで物静かな女性像が重なります。
秋口の涼しさを感じはじめる時期、こんな色を装いに取り入れてみたら、少しは女郎花効果にあやかれるかもしれません。
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール 有限会社「カラーズガーデン」代表。 英国オーラソーマ社公認ティーチャー。 栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。 中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。 2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。 2006年より公認ティーチャーとして活動中。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
色見本参考: http://www.colordic.org/colorsample/2314.html
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