鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色≪【卵色】たまごいろ≫

 

日本の旧暦には、1年間を二十四等分した「二十四節気」という季節を表す言葉があります。

今の季節は「大寒」そのあとに来るのは節分の翌日からの「立春」です。

二十四節気を、さらに3つ(初候・次候・末候)に分けたものが七十二候で、短い漢文のような言葉が添えられています。

二十四節気は表現が概念的であるのに対し、七十二候はより具体的です。

では、現在のところを見ていきましょう。

大寒(だいかん) 末候(およそ1月30日~2月3日ごろ)
鶏始めて乳す(にわとりはじめてにゅうす)


この意味は、鶏が卵を産みはじめるころ。

かつての鶏は一年中卵を産むわけではなく、春から夏にかけての時期だけだったそうです。
 

「乳す」とは、お乳を出すのかと思えば、そんなわけはなく・・・卵を産むことだったのですね。

大寒の最後の日が節分です。

節分とは豆まきをする日のこと・・・と思っている方、多いのではないでしょうか。

でも、実は節分とは1年に4回あるのです。

季節の変わり目である「立春・立夏・立秋・立冬」の前日は、すべて「節分」でした。

特に冬から春に変わるこの時期の節分は、1年のなかでも特に大きな節目。

なので、冬から春への節分だけが現代まで残っているのでしょう。

しかし、「豆をまく」という風習は、考えてみれば不思議です。

鬼をやっつけるためにまくとすれば、「鬼は外~! 福は内~!」と言って、鬼がいないところまで豆をまくのは不思議だと思いませんか?
 
節分

これには、こんな理由があるそうです。

陰陽五行の「木・火・土・金・水」で、春を表すのは「木」です。

陰陽五行には「相克」(そうこく)と言って、なにかの気が、別のなにかの気を弱らせる関係性があります。

これによると、木を弱めるのは金の性質です。

したがって、春(木)を元気にするには、春を弱らせる金の気を痛めつける必要があるのです。

堅くて丸い形の豆は、「金」の性質です。

鬼にぶつけるよりも、「金」の性質の「豆」そのものを痛めつけるのが目的だったのです。

なんと、目からウロコの話ではありませんか。

もちろん、魔除け、邪気を払うなどの意味もあったと思います。

季節の変わり目は、体調を崩しやすい時期でもあります。

油断すると「悪い鬼が来る」(凶事が起こる)と昔の人は考えたのかもしれません。

「豆」という言葉は「魔」「滅する」につながります。 
 
北斎漫画 節分

さて、ここでいよいよ本題です。

今回選んだ日本の色は 今の七十二候から、そして今年が酉年であることから「卵色」(たまごいろ)です。
 

少し白が混ざった明るく柔らかい黄色。

これは卵の黄身の色でも、生卵ではなく、ゆで卵の黄身の色だという説があります。

または卵の黄身と白身をかき混ぜたような色とも。

いずれにしても江戸時代前期からの色名です。

それくらい、江戸のころには卵が身近な食材であったといえるでしょう。

見ているだけで、幸せな気持ちになる、そんなやさしい黄色です。

現代に生きる人たちにとって、この黄色から連想するのは、家庭の食卓に並ぶオムライスか、お弁当に入っている卵焼きかしら。
 

卵料理は、幸せな毎日の象徴のように思えます。

今年の節分は2月3日です。

節分には、豆を年の数だけ食べると、向こう一年健康に過ごせる、という風習もあります。

季節の変わり目、みなさまどうぞご自愛ください。

卵色のような、明るく希望に満ちた春を元気に迎えられますように。
 

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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。

http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/

 

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お申込み・お問合わせ reiko@colors-garden.jp

その他のスケジュールはこちらで確認できます。

http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/

 

 

色見本参考:
http://www.colordic.org/colorsample/2173.html

 

 





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