鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 ≪【栗色】くりいろ≫

秋まっさかりの今、まさに栗のシーズンです。

秋を代表する栗の実は、栗ごはんをはじめ、さまざまな食の楽しみ方ができます。

私は今年、とても美味しい渋皮煮をいただき、秋の味覚を堪能しています。

日本人と栗のつながりは、古く縄文時代には主食だったそうです。

遺跡からは、栗のクッキーのようなものまで出土したといいますから驚きです。

稲作がまだ入ってきていない日本において、保存のきく栗の実は、重要な食材だったわけですね。

落栗

栗色は栗皮の色からついた名前で、特に茶色が大流行した江戸時代には人気の色でした。

栗色

東洲斎写楽の浮世絵にも、この色の着物を着た歌舞伎役者などが魅力的に描かれています。

東洲斎写楽

ところで、9月27日は中秋の名月「十五夜」でしたね。 日本各地で美しく明るい月を見ることができました。

今年は、翌日のスーパームーンが騒がれたように、月が地球に最も接近した時期だったので、とても大きく見えましたよね。

十五夜とは、旧暦8月の15番目の月のこと。 この時期は空気も澄んでおり、一年で最も月がきれいに見えるのです。

旧暦では7~9月を秋とし、その真ん中である8月を中秋と言います。

そして2度目のお月見をするのが、今月の「十三夜」です。 旧暦9月の13番目の月のことで、今年は10月25日にやってきます。

中秋の名月を見たら、翌月の十三夜の月も見る。

片方しかお月見をしないのは「片見月」といって、縁起が悪いとされていました。

十三夜の月も、きれいに見えるといいですね。

十三夜

その十三夜の月を「栗名月」と呼びます。 もちろん栗のシーズンだからです。
お月見の祭壇には栗の実をお供えします。

お月見

ちなみに十五夜は「芋名月」。 里芋が美味しい季節だから、だそうです。

栗も里芋も丸いからでしょうか。
調べてみたら、ちょっと興味深いことに出会いました。

十五夜のお月見は中国から伝わったものですが、十三夜は、日本で生まれたオリジナルの風習なのだとか。
15番目の月は完璧に満月とは限りませんが、限りなくそれに近い形です。
ならば翌月も同じように、ほぼ満月を見たらいいのでは? と思うのが普通。
ところが、あえて十三夜の少しだけ影になった月を見る。

この「少し欠けていることに美を見いだす」「あえて不完全なもの愛でる」のが、日本人が感じる風流ということでは? と思います。

今月25日の「十三夜」、栗の実をお供えして静かに夜空を見上げてみましょうか。
ちょっとだけ欠けている月は、完璧な満月のスーパームーンとは違って、どこか控えめなやさしい光を、私たちに投げかけてくれるかもしれません。

 


鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間
住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/

 

色見本参考:https://www.colordic.org/colorsample/2226

 

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