陰陽五行による色彩(鮎沢玲子さん)

あなたは「陰陽五行」という言葉を聞いたことがありますか?

ありますよね。(^_-)

たとえば「木火土金水(もっかどごんすい)」なんて言葉も、何となく聞いたことがあるでしょ。

私も聞いたことがあるし、自分でも何となく知っているような気になっていました。

でも何となく知っているような気はするものの、さて、改めて「陰陽五行」って何 (?_?) って聞かれると全然答えられなかったりします。(*^_^*)

今回、メルマガ『オーラソーマ通信』でもおなじみの鮎沢玲子さんが、「陰陽五行」について、じつに簡にして要を得た、的確な説明をしてくださっています。

これだけ知っていれば大丈夫。

もう困ることはありません。

といっても、あまり人様に説明したりしないほうがいいですよ。(^_-)

かえって、浮くだけですから。

でも、たとえば、「木火土金水」の五行が方角としてはどこに当たり、また色としては何色であるかを知っている。

さらには、驚くことに、「青春」なんて言葉が出てきたときにも、それがどういう背景がある言葉なのか、じつはちゃんと知っている。

それだけでいいんですよね。

ここでこっそり教わっておいてください。

では鮎沢玲子さんの記事「日本の色とオーラソーマ Vol.9」からご紹介しますね。


日本人の色に対する感覚を知るうえで、欠かせないのが「陰陽五行」と色の関係性です。
古代中国より伝えられた陰陽五行とは、この世界のすべて森羅万象を表すもの。
これに基づいて生まれた習慣や祭りなどが現在でも日本に数多く残っています。
陰陽五行による色彩がひとつのベースとなって、日本人の色彩感覚は発達してきました。

古代中国の哲学では、原初唯一絶対の存在を「混沌」としました。
それが、軽く明るく澄んだ「陽」の気と、重く濁って暗い「陰」の気に分かれます。
「陽」は上に上がって「天」となり、「陰」は下がって「地」となります。



陰陽の二元が互いに混ざりあって生じたのが5つの「気」…木気・火気・土気・金気・水気です。
これら五気が巡ること、循環することを「五行」といいます。
それぞれが、関連する季節、時間、方角、そして色などを持っています。


 

まず「木気」とは、生命を有し、振動するエネルギー。
季節は春で、方角は太陽が昇る東です。
時刻で言えば朝や午前中。
木気の色は青ですが、このなかに緑色も含まれます

「青春」という言葉は五行からきていて、木気や東はこれから伸びていく若さを意味します。
次期天皇陛下となる皇太子殿下のお住まいを「東宮御所」と呼ぶのもこのためです。

次は「火気」です。
火、熱、強い光、鋭さなどを表します。
季節は夏で、方角は太陽が最も勢いを増す南、時間帯は真昼、色はもちろん赤(朱)です。

青春に対して「朱夏」という言葉があります。
東から太陽が昇ったばかりの木気が「青春期」なら、太陽が最も強く輝く火気は働き盛りの「壮年期」といえるでしょう。

次は「金気」で、色は白です。
これは金属一般のメタリックホワイトをイメージしてみるといいでしょう。
木気や火気に比べて静かで落ち着きがあり、冷たい印象です。
季節は秋、方角は太陽が沈む西。
人間の一生にたとえると日が西に傾く夕方の時間は、人生の晩年期にあたります。
詩人、北原白秋という名前(ペンネーム)は、ここに由来していると思われます。

次は「水気」です。
古代中国では、水は下降する、沈んでいくエネルギーと考えられていました。
水は寒さによって凍るので季節は冬、方角は北、時間帯は深夜です。
眠りに落ちる…という言い方をしますが、睡眠は水気に属し、究極の水気は「死」です。

水気の色は、太陽の光が届かない闇を表すです。
この場合、黒より「玄」の文字を使います
幽玄の玄です。
最後に残っているのは「土気」です。
季節はすでに春夏秋冬に、それぞれ木火金水が対応しています。
残った土はなにかといえば、季節の変わり目である「土用」です。

各季節の終わりの約18日間を土用に割りあてます。
この期間は、季節の終わりでもあり、次の季節のはじまりでもあります。

土用といえば暑い時期のことで「土用の丑の日」にうなぎを食べるのでは?
と思った方もいるでしょう。
でも、土用は各季節の移り変わりごとにあるので、本当は1年に4回あるのです。
方角でいうと、中央・中心が土気になり、色は黄色です

中国では黄色が最も高貴な色とされ、皇帝の衣装などに用いられていました。

映画「ラストエンペラー」では、まだ幼い皇帝・溥儀が黄色の装束で、黄色の長いカーペットの上を歩くシーンが印象的です。
皇帝は常に国の中央に居るものです。
したがって黄色がまんなかを意味し、季節と季節のまんなかにある土用なのです。

「日本の色とオーラソーマ Vol.9」より


『リビング・エナジー』Vol.9(p92-93)

【古代中国の哲学では、原初唯一絶対の存在を「混沌」としました】

本来は現象世界の何ひとつ分離独立しては存在できないものなんでしょうね。

【季節はすでに春夏秋冬に、それぞれ木火金水が対応しています。
 残った土はなにかといえば、季節の変わり目である「土用」です】

切り替わりの前に、いちど中央に戻ってゼロ化するんですね。

面白いですねぇ。

pari 記

 

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