11月に入り、ますます昼の時間が短くなってきました。
秋の夜長と言いますが、この時期、日ごとに夜の訪れが早くなります。
先月は10月1日と31日、ひと月に新月が2回ありました。
最近では、2回目の新月を「ブラックムーン」なんて呼ぶのですね。
新月のときは太陽と月の位置が地球から見て重なるため、もともと真っ暗で見えないので、いつでもブラックムーンなのですが。
ちなみにひと月に2回の満月があるとき、2回目を「ブルームーン」と呼び、幸運の満月とする風潮もあります。
なににせよ、月の満ち欠けに関心を持つのは、好ましいことだと思います。
ところで先日のブラックムーンは10月31日で、奇しくもハロウィンと重なりました。
新月で月のない晩がハロウィンだなんて、ちょっとできすぎ。
最近では、すっかりお祭り好きな人たちの仮装パーティー行事になっていますが、ハロウィンの起源をご存じですか。
古代、アイルランドに住むケルト民族は、10月31日を一年の終わりとしていました。
秋の収穫を祝うとともに、先祖たちの死者の霊が地上に還ってくるとき、と位置づけていました。
日本のお盆とよく似ています。
この時期のアイルランドは、すぐに日が暮れて長い夜がやってきます。
ハロウィンには死者の霊だけでなく、悪霊や得体のしれない精霊などもやってくるのです。
そこで、悪霊たちの目をごまかし、さらって行ったりされないように、わざと不気味な仮装をして、ランタン(のちにアメリカに渡ってかぼちゃが定着)に火を灯したり、たき火をしたりしたのがはじまりです。
今回取り上げる日本の色の紹介がすっかり遅くなりましたが「青鈍」(あおにび)です。
「青鈍」は薄く墨色をかけたような暗い青色のこと。
平安時代には、青色の上に橡(つるばみ)などの墨色をかけて、鉄で媒染する方法で染めていました。
近親者を亡くした人が喪に服する間、着用する「凶色」として使われました。
単に黒ではなく青の色味をわずかに残した墨色が、かえって悲しみや静けさを表現していたのかもしれません。
今回これを選んだのは、晩秋の月のない夜空「ミッドナイトブルー」に近い日本の色はどれか・・・と探しました。
真夜中、空が暗ければ暗いほど、昼間は見えなかった星々が見えます。
真っ暗な空は神秘への入り口。
身体のチャクラと対応させると、眉間にある第6チャクラが、この色に相当します。
オーラソーマで言えば「ロイヤルブルー」で、第3の目(サードアイ)と呼ばれる超感覚(サイキック)を司るチャクラの色です。
「青鈍」や「ロイヤルブルー」「ミッドナイトブルー」のような静けさを持つ、深い青色に出会うとき、私たちがふだん気づけない隠されたものを見、聴こえない声や音を聴くチャンスです。
闇にそっと目を向けて、じっと耳を澄ませて、静かに自分自身と向きあう時間を持つのも悪くない気がします。
鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
色見本参考:
http://www.colordic.org/colorsample/2118.html