鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 ≪【朱鷺色】ときいろ≫

朱鷺色は、特別天然記念物で国際保護鳥にも指定されている「朱鷺」の羽色に由来する色名で、鴇色とも書きます。
薄い紅色です。

朱鷺色

朱鷺の写真を見たのですが、どこにもこの色は見当たりません。
身体は全身が白い羽根で覆われ、顔だけが朱色で、湾曲した長いくちばしは黒っぽい色をしています。
実は翼を広げたときだけ、この朱鷺色は姿を現すのです。
翼の下側の縁にある風切羽が、この色をしています。
まるで大切なものを、ふだんはしまっておくように・・・。

朱鷺

朱鷺は、古くから日本や中国に分布しており、江戸時代までは普通に見られる鳥だったようです。
奈良・平安時代の文献には「ツキ」「ツク」などの名で登場し、桃花鳥とも表記されています。
ツキとは「桃花」のことで、やはり内側にしまわれた美しい桃色の羽の色からの連想だと思われます。
この羽は古くから珍重され、伊勢神宮の儀式に関係があります。
神宝「須賀利御太刀(すがりのおんたち)」の柄飾りとして、今も神事に用いられているそうです。

須賀利御太刀

朱鷺の学名は「ニッポニアニッポン」。
日本を代表する美しい鳥のひとつでしたが、明治以降、乱獲や環境汚染の影響で急激に数が減り、日本の野生種は絶滅しています。
現在では、野生の朱鷺を復活させるべく、放鳥などの試みがなされています。
同じ桃色の羽を持つ鳥といえば、フラミンゴを思いだします。
フラミンゴの語源は、ラテン語の「炎」からきているそうですが、全身が桃色の羽に覆われていて、しかも大きな群れで行動する性質があり、遠くから見たら、まるで炎のように見えたのではないでしょうか。
アフリカや南ヨーロッパ、南米などに分布している、まさにラテン系の鳥です。
ラテンの国の人々が、パッションを隠さずに表現するのと、通じるものがあります。

ベニイロフラミンゴ

一方、白い羽根の下に、薄紅色をそっと隠している朱鷺は、恥じらいのある日本女性の象徴のようです。
それも今や朱鷺と同じように絶滅に瀕している・・・のかもしれません。

森立之『華鳥譜』

意外でしたが、朱鷺は一年中白い羽ではないそうです。
春から夏の繁殖期には、首すじから黒い分泌物を出して、身体に擦りつけるために、黒または灰色の身体をしているのだとか。
繁殖期が終わる、ちょうど今ごろから、徐々に白い羽の色に戻りま す。
白い羽を広げ、風切り羽の薄紅色をのぞかせながら、大空を飛ぶ朱鷺の姿を見ることは、もう叶わぬ夢なのでしょうか・・・。
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール 有限会社「カラーズガーデン」代表。 英国オーラソーマ社公認ティーチャー。 栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。 中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。 2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。 2006年より公認ティーチャーとして活動中。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
———————————— 英国オーラソーマアカデミー資格講座 レベル1 日程 2014年8月18日(月)、19日(火)、     21日(木)、22日(金)、25日(月)、           29日(金)全6日間 会場 栃木県宇都宮市 カラーズガーデン 講師 鮎沢玲子 お申込み・お問合わせ c_garden@sea.ucatv.ne.jp TEL:028-667-8006
その他のスケジュールはこちらで確認できます。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
色見本参考: http://www.colordic.org/colorsample/2024.html 参考HP: 佐渡観光協会 http://www.visitsado.com/index.html 上野・浅草ガイドネット http://www.guidenet.jp/
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