鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色≪【葡萄色】えびいろ≫

日本の色名には読み方が難解なものや、言葉の意味がよくわからない不思議なものがいくつもあります。

今日ご紹介する「葡萄色」もそのひとつ。

「葡萄色」と書いて「えびいろ」と読むのですから。

 

 


9月の声を聴くと、秋の味覚がいろいろ出まわってきます。

今年は猛暑続きで農作物の出来は今ひとつのようですが、それでも美味しい秋の果物は楽しみのひとつです。

美しい色と、張りのある姿で私たちの目も楽しませてくれる葡萄。

 



近年はシャインマスカット人気で黄緑色のものをよく目にしますが、秋らしさで言ったら、やはり紫色の葡萄です。

先日もあるレストランで「季節限定」とある、巨峰パフェの写真に心を奪われました。

大きな紫色の巨峰が縦半分にカットされ、生クリームやアイスクリームの上に規則正しく積み上げてあるのです。

しかし、これを食べるときは美しい葡萄に敬意を表して、秋らしいシックな服でご対面したい・・・などと考えてオーダーするのを思いとどまりました。

季節の味を楽しむなら、味覚だけではなく五感全体で楽しみたい。

ところで、なぜ「葡萄色」「えびいろ」なのでしょうか。

その理由はこうです。

日本に古くから自生している「山ぶどう」の古い呼び名が、「エビ」だったのだそうです。

葡萄とはだいぶ様子が違う植物なのですが、同じよう濃い紫色の食べられる木の実ということで、同じ文字をあてるようになったと思われます。

 



それで葡萄色は「えびいろ」となったわけです。

葡萄は古くから世界に広く分布し、古代ギリシャでは、すでにワインのための栽培が盛んでした。

世界中にはなんと一万種以上の品種が存在するとか。
そのうち日本国内で栽培されているのは50~60品種だそうです。

初めに日本に渡ってきたのは甲州種です。
中国大陸を経て伝えられました。

以降、葡萄は現在の山梨県を中心に栽培が盛んになっていきます。

1100年代の終わりごろから栽培が始まり、1300年代のはじめには本格的な農園ができていたそうです

江戸から明治に葡萄の栽培は他の地域にも拡大し、海外からの品種も次々と入ってきます。

しかし、気候や地質の違いから失敗も多く、日本の葡萄栽培はさまざまな苦労を乗り越えて現在に至ります。

葡萄の実は初めのうちは黄緑色をしていますが、熟してくると赤や濃い紫色になっていきます。

葡萄の果皮の部分で、アントシアニンという成分が作られていくからです。

抗酸化作用を持つポリフェノールの一種です。

色の美しさや美味しさだけでなく、私たちの身体に良い効果を与えてくれる自然の恵みに感謝して、今年も葡萄をいただきます。

 

 

鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。

http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
 

 

 

色見本参考:

https://www.colordic.org/colorsample/2006.html

 

 





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