鮎沢玲子さんの日本の色で学ぶオーラソーマ ≪コーラル≫

コーラル・・・日本の色名「朱色」
オーラソーマの授業では、まず「色の言語」を学びます。
オーラソーマのシステムはイギリスで生まれたものですが、日本人ならではの感性で「色の言語」をもっと深く探求できると考えます。
そのことから連載中のこのコーナーでは、毎回「カラーローズ」のなかの1色を取りあげ、日本の色名、文化、歴史、季節感などと関連づけてご紹介しています。
今回、取りあげるのは、ターシェリーカラーのひとつである「コーラル」です。
私は105番のボトル「大天使アズラエル」を初めて見たとき、これは朱色だ・・・と思いました。

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そして、なんて日本的な色なのだろうと。
105番のボトルで「ヒューのコーラル」が、オーラソーマのシステムに初めて登場しました。

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子どものころ、朱色の絵の具が苦手でした。
朱色を他の色と混ぜないでそのまま使うと、そこだけ派手に浮いてしまうし、他のどの色と混ぜても朱色の自己主張が強すぎて、すべてを台無しにされそうな不安感がありました。
朱色は私にとって目障りな色だったのです。
もう少し大きくなって、初めて京都の平安神宮を見たとき、朱色って美しい色だったのだと気づきました。
他にも日本古来の神を祀る神社の鳥居や神殿には、鮮やかな朱色がふんだんに使われています。

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「青丹よし」と歌われた奈良の都の塔や伽藍は、「緑青色と朱色(丹色)」に彩られ、極楽浄土のイメージをそのまま再現したものだったのかもしれません。
朱は、水銀と硫黄の化合物からできる赤色顔料の代表的なもので、古代の遺跡や古墳からは、朱色に塗られた柩が出土することがあるそうです。
これは水銀による腐食防止の目的だけでなく、赤い色のもつ呪術的な意味がこめられています。
赤い色は永遠の生命力や魔除けの意味を持っていました。
古代の人々は、死者の魂が永遠の命を持ってよみがえるのを願ったのです。
このことは、105番のボトルの大天使アズラエルが「死の天使」であることともリンクしていると感じます。
朱色はもともと中国から伝わった色ですが、日本文化のなかで洗練され、多くの工芸品に使われるようになりました。
その代表的なものが漆塗りの朱色です。
陶磁器のことを「チャイナ」と呼ぶように、外国では漆器のことを「ジャパン」と呼ぶことがあるそうです。
そして漆塗りの朱色を「ジャパニーズ・レッド」と呼ぶほど、この色は日本を代表する色なのです。

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漆は何度も塗り重ねる工程を経て、表面に固く美しい皮膜を作ります。
しかし取扱いに注意を要する繊細な素材です。
湿度が低すぎても、また湿気をつけたままにするのもダメ・・・海の水質が変わると死滅してしまうサンゴ(コーラル)は、それによく似た存在です。
子どものころに苦手だと感じた色なのに、今は「アズラエル」の朱色がいとおしく思えてきます。
オーラソーマのコーラルの色を見るとき、私たちはそのなかに、長い間受け継がれてきた伝統や強い絆を見ています。
そして同時に、脆さや傷つきやすさを見ているのです。
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール 有限会社「カラーズガーデン」代表。 英国オーラソーマ社公認ティーチャー。 栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。 中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。 2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。 2006年より公認ティーチャーとして活動中。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
———————————— 英国オーラソーマアカデミー認定講座 レベル3 日程 2013年8月13日(火)~18日(日)全6日間 会場 カラーズガーデン(栃木県宇都宮市清原台) 費用 147,000円 再受講 60,000円(カラーズガーデン以外でレベル3を受講の方) お申込み・お問合わせ カラーズガーデン:c_garden@sea.ucatv.ne.jp TEL:028-667-8006
色見本参考: http://www.colordic.org/colorsample/2245.html

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