上がイエローで下がバイオレットのボトルです。
このボトルに対応するタロットカードは「月」
「月」は無意識、個人の陰の側面、見えない領域を象徴しています。
通常私たちが意識しているのは氷山の一角で、９０％は海面下の無意識で行動しているとも言われています。
私たちの感情、動機や行動なども無意識にこれまで蓄積されてきているプログラムによって支配されています。
その無意識の領域、影の側面は私たちにとって未知の領域であり、それを見ることは恐怖や不安をともないます。
ですから、通常私たちは、ふたをして見ないようにしていたり、抑圧してしまっています。
しかし、０番のタロット「愚者」は旅に出て、１６番のカード「塔」の崩壊によってこれまでのパーソナリティ、人格、既成概念を打ち壊され、１７番のカード「星」の大空の中に無防備でいて存在の流れとともに生きる、というプロセスを経て、この１８番の「月」のカードで自分の内側の無意識の世界に直面することになりました。
ボトルの色ではバイオレットがその陰の側面、無意識の領域を表しています。
女性はうつろな目をして、夢を見ているようです。 無意識の世界は意識が外れた夢の中でその姿を表します。
そこには水やザリガニ、二匹の犬（ないしオオカミ）や二本の門柱に象徴される、深層心理の不思議な世界が広がっています。
二つの門柱が左右にあります。 二本の柱は、ひとつには光がともり、もうひとつは光のない暗闇の柱です。 それは「光と闇」「白と黒」「生と死」の二元性を象徴しています。 また、黄泉の国、未知の世界へと至る門でもあります。
と同時に、白と黒の二匹の犬が月に向かって吠えています。 犬は地下世界の守り手であると同時に、動物的な本能を象徴しています。
ここではエジプトの黄泉の国への道を守るアヌビスをも象徴しているようでもあります。
黄泉の国はあの世であるとともに未知の世界でもあります。 死と死後の世界への不安と怖れが私たちの無意識の大きな部分を占めていたりもします。
そのような現世から、あの世へと通じる流れにザリガニは向かっています。 原始的な生物であるザリガニは、そのような不安な気持ちや恐怖に駆られて動揺する本能を象徴しているようです。 かつ、また水の中に住むザリガニは無意識をも象徴しています。
月はラテン語ではルナ（Luna）。 そこから狂気を意味するルナティック(Lunatici)という言葉にもあるように、人を狂気に駆り立てるようでもあります。 月はまた、いつもひとつの側面を見せるだけで、隠された神秘を持っています。 月は、そのような魔力や狂気の側面と同時に隠された神秘や未知の側面、無意識の世界、陰の側面を象徴しています。
しかし、この月のタロットカードでは、その月は太陽でもあります。
白い月と同時にイエローの太陽の光が輝いています。
それがボトルの上の色のイエローとして表れています。
イエローは自己やパーソナリティを表しますが、それは仏陀やキリストの光背に輝く光明を得た自己を象徴しています。
意識の光に照らされ、すべてが意識の光にあふれていることを象徴しています。
しかし、そこにたどり着くためには、無意識の世界、未知の領域、神秘の領域をも通り抜けていくプロセスがあることをこのカードは示しているようです。
「塔」のカードでは私たちは古いパーソナリティ、既成概念や凝り固まった信念が壊れ、「星」のカードでは大いなる存在の星空のもとに裸で立つことになりました。
そして次の新しい人生、新しい理解に至るまえには、これまでのなじみのある古い領域から離れ、今まで経験したこのない未知の領域を旅していかなければなりません。
そこでは何が起こっているのか？
また、そこで起こっていることが良いことなのか悪いことなのか？
自分がどこに行こうとしているのか、どこに行くのかさえもわかりません。
混乱と不安があるでしょう。
それは私たちが無意識の領域に抑圧していたものが表面に表れては消えていくプロセスであったりもします。
それはまた私たちが無意識に押し込めていた動機やプログラム、さまざまなものごとが意識の中に表れてくるプロセスでもあるのです。
そのような地下室の中にある無意識に気づきの光をもたらしていくこと。
それが、このイエローで表していることでもあります。
人生を生きていく道の途上には、この「月」のカードに象徴されるようなプロセスがあることを知っておくことも、助けになるでしょう。
今、人生でそのようなプロセスにある人には、このボトルも助けになってくれるでしょう。
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