タロットとオーラソーマ その9

しばらく間があいてしまいましたが、前回の続きです。
前回は、タロットが歴史上、具体的にどのように引き継がれたのかということについてでした。
ですが、ここでは、この「黄金の夜明け団」がタロットと生命の木のパスとの対応関係を確立していった、という歴史的な経緯を理解してもらえればよいと思います。
クローリーとウエイト版のタロットは、その考え方を引き継いで製作されたのです。
アーサー・E・ウエイトは21歳のころから大英博物館の図書館室で働きはじめ、1891年黄金の夜明け団に加入。1901年にはフリーメーソンにも加入しています。
そして1903年には、「黄金の夜明け団」の分裂騒ぎが大きくなり、自ら「聖黄金の夜明け団」を創設し、独立しています。
彼は生涯にわたって薔薇十字団、フリーメーソン、カバラ、錬金術などについての多くの著作を残し、翻訳書を残しています。
レヴィの「高等魔術の教理と祭儀」から抜粋して英訳した「魔術の神秘」という本を翻訳し1886年にロンドンで出版しています。
そして1909年にオリジナルのタロット・パックをライダー社から出版しています。これがウエイト版ないしライダー版としてして広く知られているタロットです。
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その翌年に、その解説書である「タロットの鍵」を出版しています。
そのタロットの製作に当たってはパメラ・コースマン・スミスという画家にその絵を依頼しています。彼女の画風としては、そのアウトラインの書き方や色彩感覚は浮世絵や日本画に影響を受けたと考えられています。
人気の西洋タロットの図柄が浮世絵の影響を受けていたなんて、愉快ですね。
それはともかく、パメラ・スミスはそのタロットの絵をどのように描いたかというと、黄金の夜明け団で描かれていたカードのデザインはもちろん、レヴィやそれまでの先行者たちのタロットの図柄を参考にして組み合わせながら、ウエイトの「タロットの鍵」に記されている各カードの占い上の意味やキーワードをもとに、彼女の独創性によってストーリー性を持たせたデザインにしていったと考えられています。
例えば、「愚者」のカードについていうと、これまでのカードでは、愚かな人物として描かれることが多かったのが、颯爽と旅に出るかのような若者とし、断崖に向かって歩いている、という構図もこのときに初めて描かれた新しい構図なのですね。
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つまり、この世に数多くあるタロットカードというのは、その起源を調べてみると、時々の時代背景と作者の思想や考えによって、さまざまなものがあり、そしてその図柄も一義的なものではないのだ、ということを理解していただければと思います。
では、「20世紀のタロットの最高傑作のひとつ」として評判の高いクローリータロットはどのように生まれたのでしょう?
・・・それは次回、ということにしましょう。
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