≪ロイヤルブルー≫
オーラソーマの授業では、まず「色の言語」を学びます。 http://aura-soma.co.jp/intro/color_language/
それはオーラソーマのシステムにおいて木の幹のように基本的な部分です。
ティーチャーとして活動するうちに、私はこの「色の言語」をもっと日本人ならではの感性で探求し、みんなのなかに定着させることはできないかと考えてきました。
毎月1回連載中のこのコーナーですが、今月から趣向をかえて「カラーローズ」のなかの1色をピックアップし、日本の色名、歴史、文化、季節感などと関連付けてお伝えしていこうと思います。
今月、最初に取り上げる色は「ロイヤルブルー」です。
日本のよく知られた色名で、ロイヤルブルーに最も近いのは「藍色」です。
藍は人類最古の植物染料と言われ、藍染は世界中に広く分布しています。藍による染色方法は特に我が国だけのものではありません。
たとえばブルージーンズのインディゴも同じ藍で染めたものです。
日本では桃山時代から江戸時代にかけて木綿の普及に伴い、藍染が盛んになりました。 藍染の暖簾(のれん)や、職人や商人の仕事着としての木綿の着物、店の屋号や紋などを染め抜いた印半纏(しるしばんてん)または法被(はっぴ)など、いわば江戸時代の職場の制服的なもの、仕事にまつわるところに多く使われました。
今も会社の制服などにロイヤルブルーに近い色がよく使われているのは、この名残なのかもしれません。
なかでも最も象徴的なのは、やはり「暖簾」でしょう。 今でも伝統ある老舗(しにせ)のことを「古い暖簾」と言ったりします。
藍染の暖簾は、歴史と伝統がある「正統派」の証し。 当然、「権威」を表しています。 そして確かな仕事をする「職人気質」の表れでもあります。
ロイヤルブルーの色の言語にぴったり合致していると思いませんか。
もうひとつ、ロイヤルブルーに近い色で面白い名前のものがあるのでご紹介します。
それは江戸時代に生まれた色名で「納戸色」(なんどいろ)。
なぜにこんな名前が? と思いますよね。
でも色名の由来は諸説あり、いまひとつはっきりしないのです。
由来のひとつ目は納戸(物置)の暗がりを表すような色だから。
二つ目は、納戸の入口に掛ける垂れ幕の色によく使われていたから。
三つ目は、将軍の金銭や調度品、衣服などの出納を担当するお役人(御納戸方)の制服の着物の色だったことから。
この三つ目の理由が、最もロイヤルブルー的かもしれません。 出納係りのお役人の堅実さ、真面目さ、権威を表現していると思います。
江戸時代にこの色はたいへん流行し、男性の着物の裏地や風呂敷などに盛んに使われました。
納戸色は藍色に比べて、やや緑味が入った渋い青。江戸末期には女性の着物にもよく使われ、明治、大正まで流行したそうです。
事実、納戸色は他との色合わせがしやすく、和服の色としてはとても重宝です。目立ちすぎず、有能な「名脇役」といった感じの色なのです。名前の奇抜さとは対照的ですね。
いかがでしたか?
このように、毎回カラーローズのなかから1色を選んで、日本の色に対応させていきます。
また関連があり、興味深い日本の色もご紹介します。 よろしかったら、どうぞご感想をお寄せください。
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール 有限会社「カラーズガーデン」代表。 英国オーラソーマ社公認ティーチャー。 栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。 中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。 2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。 2006年より公認ティーチャーとして活動中。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
———————————— 英国オーラソーマアカデミー認定講座 レベル1 日程 2012年9月5日、6日、12日、13日、19日、20日 会場 カラーズガーデン(栃木県宇都宮市清原台) ※JR宇都宮駅から送迎致します。 費用 136,500円、再受講は60,000円(税込) お申込み・お問合わせ: カラーズガーデン:c_garden@sea.ucatv.ne.jp TEL:028-667-8006
その他のスケジュールはこちら。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
色見本参考: http://www.colordic.org/colorsample/2076.html http://www.colordic.org/colorsample/2078.html
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