タロットとオーラソーマ その2
世界が破壊されるとき、解放されるのは神の一部であり、それが人間の始原への回帰を可能とする・・・。
このような流れでタロットカードの大アルカナを見ると、次のように考えることができるようです。
「愚者」というのは、人間の精神は神的なものであるが、それは物理的な身体に幽閉されており、その神性に気づかない状態。
次に表れる「魔術師」は、より高き星々の使者が、物質的世界に対する支配を表明し、表面的な現実よりさらに深い何かの存在を証明するカードとなります。
世界の支配的な力「女教皇」「女帝」「皇帝」「教皇」が抵抗にあい、日常的存在が挑戦を受け、克服されて初めて解放の切望が可能となる「恋人」「戦車」。
探求者「隠者」は、一定の成熟に達したときにのみ、精神的故郷に自分を回帰させるための旅に出発します。
内省「運命の輪」は、肉体的衝動「力」の克服と、より高きもののためにより低きものを故意に犠牲とすることによる日常的価値の逆転を求める「吊るされた男」。
より低き個我「死神」の昇華は、「悪魔」の打倒を可能とする霊的な活力「節制」の流出に至る。
それが地上の牢獄「塔」の崩壊を招来し、精神が天の星々「星」「太陽」「月」を経て、神秘的再生「審判」を経験し、最終的には「世界」と一体化するというプロセスを表現している。
オーラソーマでは、タロットは生命の木と関連づけて学ぶのですが、生命の木は、本来は宇宙の法則を体系化したもので、人間が霊性を進化させるためのプロセスを示しているとされています。
その生命の木のもととなっているユダヤの神秘思想、カバラの教えは、エジプトから聖なる地へと向かったモーゼが、神から直接与えられたといわれる叡智に基づいているとされ、宇宙の真理、神と人間との関係、人類の霊的進化への道などをまとめた哲理だとされています。
簡単に言えば、自分自身を神のごとくに向上させ、本当の幸福をつかむための教え、ということです。
ですからカバラのタロットという視点から見ると、タロットにはこのようなカバラの思想のエッセンスが描かれ、自分自身を向上させ、幸福な人生を送るヒントが描かれているということになります。
とはいっても、オーラソーマのタロットは、これらの宗教的な教義とは関係ありません。
ヴィッキーさんは、オーラソーマは「古いワインを新しい皮袋につめるようなもの」だ、と言っています。
つまり、オーラソーマは、古代の叡智を現代にもたらすものであり、それは宗教的な教義としてではなく、色の暗号として、人間の意識を解き明かそうとしていくものです。
オーラソーマのタロットは、そのヒントをビジュアルな側面から、右脳の直感を通して学んでいくものといえそうですね。
参考文献:
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正統カバラ・タロット占術 (エルブックス・シリーズ)/斉藤 啓一 ¥3,990 Amazon.co.jp
尚 記
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