ルドルフ・シュタイナーの「天使と人間」その3

オーラソーマの天使シリーズ、新しいボトルが出たことにちなんで、天使についてのシリーズです。
前回に引き続き、シュタイナーの天使論に基づいて、天使について考えてみたいと思います。
前回は、人間は神性に向かって進化している存在であり、天使はその人間よりも進んだ存在だというシュタイナーの見解を見ていきました。
では、天使は人間よりもどういう点で進化しているのでしょうか?
シュタイナーによると、それは意識のあり方が違っているということです。
シュタイナーは、次のように述べています。
「『天使存在の意識とはどのようなものだろうか』と問いかけられたとき、私たちは「ある観点から見ると、それは人間よりも高い意識である。それは鉱物界まで降りていくことがないからこそ、より高い意識として特徴づけることができるのだ」と答えることができるわけです」
このことを理解するためには、まず、人間の意識とはどのようなものなのかということを理解しておく必要があります。
シュタイナーは、人間の意識について次のように定義しています。
「今日の人間は、外側に向けられた物質意識の中に、知覚可能な四つの自然領域を含んでいます。その四つの領域とは鉱物存在、植物存在、動物存在、そして人間領域それ自体です。
外面的な感覚にとって知覚可能な領域を内容として含んでいるものが、人間の意識なのです。人間が感覚を通して知覚するものはすべて、たとえそれが何であろうと、これら四つの領域のいずれかに属しています」

つまり人間の意識というのは、この人間の持つ感覚によって知覚できるものすべてであり、それらは鉱物界、植物界、動物界、人間界の領域なのだというのです。
では、天使の意識はどうかというと、石などの鉱物界までは降りていくことができない、というのです。 その代わり、植物存在、動物存在、人間存在、そして天使自身の領域の四つの領域を知覚することができる、というのです。
なぜ、天使は鉱物界を知覚できないのでしょう?
それは、天使には物質的な肉体がないからです。
「天使には、目や耳のような肉体器官もありません。これが天使の特徴です。 ですから天使は物質界を知覚しません。 天使の本質のうち、一番下にあるのはエーテル体です。そのため天使は植物とある種の類縁関係にあります」
ここでシュタイナーが言っていることを理解するためには、人間が知覚できる世界と、その構成されている要素について理解しておく必要があります。
つまり、人間が知覚できる世界は鉱物界、植物界、動物界、人間界であるということ。
そして鉱物は物質体で構成され、植物は物質体とエーテル体で構成されています。
また、動物は物質体とエーテル体とアストラル体によって構成され、人間は物質体とエーテル体とアストラル体と自我によって構成されている、とシュタイナーは考えています。
これに対して、天使の構成要素はエーテル体とアストラル体と自我と霊我であり、物質体は備えていないので、従って鉱物は知覚できない、ということになります。
ここでの人間と天使の違いは、人間は肉体があり、鉱物体を持っているけれども、天使にはない。
天使は霊我を持っているけれども、人間はまだその領域にまで達していない、ということになります。
つまり「天使の意識は、人間の意識が現在のところ未だ到達していない高みにまで到達している」ということになるようです。
ですから「天使は現在、事実上人類の指導者であり、導き手であるわけです。 天使は人類のために準備をします。人類の中で少しずつ形成されているものと天使存在が担っている使命とのあいだにには、内的な繋がりが存在するのです」
シュタイナーによると「今、人類は自らのアストラル体を造り変えて、少しずつ完全な霊我を形成する時期にさしかかっています」
これに対して「天使は現在、既に霊我を発達させています」
「したがって進化のヒエラルキーの中で『天使とは人間がアストラル体を霊我に変える仕事を指導する霊である』と言うことができるのです」ということになります。
つまり、天使とは、人間に対して「霊我」というものを形成することを指導している存在、ということになるのですね。
では、天使はどのようにして、そのことを人間に指導するのでしょうか?
これは、とてもおもしろい指導の方法なのです。
でも、そのことを人間が気づくためには、それなりに自分の気づきを高めておくことが必要なようです。
これは人間として進化するための意識の持ち方にも関連してきます。
つづく。
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尚 記
     
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