フィット・フォー・ライフ その5

フィット・フォー・ライフ ——健康長寿には「不滅の原則」があった!/ハーヴィー・ダイアモンド ¥2,205 Amazon.co.jp
前回からの続きです。
食べ物を従来どおり楽しみながら、「代謝のバランス」を保ち、組織から毒性の物質を取り除くにはどうしたらよいでしょう?
果物を正しく食べること。
フィット・フォー・ライフの本質は何かというと、解毒を行うプログラム、です。
今までの栄養学は、いかに何を食べるか、ということがテーマであったのに、現代においては解毒がテーマだというのは面白いですね。
それには、時代背景があると思われます。
食物を食べようにも食べられない時代があったわけです。
それは人類のほとんどの歴史が、いかに飢えないでいられるか、ということがテーマだったわけですから。
それは現在においても、アフリカや貧しい国々では、飢えが大きな問題です。 多くの人々が飢えで苦しんでいるというのに、いわゆる先進国、アメリカや日本などでは、多くの食べ物が残飯として捨てられています。
そして飽食の時代。
食べ過ぎることが問題になっているのです。
アメリカに行くとわかりますが、なんと太っている人が多いことか。 それも中途半端な太り方ではありません。まさに巨漢。 食べ過ぎることで病気になっているわけです。
だから、このフィット・フォー・ライフの考え方がフィットするわけです。
「果物を正しく食べること」というのは、この解毒にとって最も有効なので、大切な原則になります。
そもそも何をどのように食べればいいのか・・・ということは、そもそも人間はこれまで何をどのように食べてきたのか、ということを考えればいいわけです。
ライオンにはライオンの食物と食べ方があり、ゴリラにはゴリラに合った食物と食べ方があります。 ですので、人間の身体に合ったものを食べるのが一番だということになります。
ところで、これまで人間は何を食べてきたのか?
・・・果物なのです。
ジョン・ホプキンス大学の著名な人類学者、アラン・ウォーカー博士の研究によると、「1200万年前の時代の原人からホモ・エレクトスまで、調査したすべての歯は、例外なく果物を食べる種族のものであることが明白である」といことだそうです。
果物こそ、人体の構造や機能からして、人類がすんなり受け入れることのできる唯一の食べ物なのだということです。
それが何よりの証拠に、果物は他のどのような食べ物よりも消化するのにわずかなエネルギーしか必要としません。
だいたい20分から30分で胃を通過し、体内に入ったときには、すでにブドウ糖になっているわけです。つまり果物はすでに消化されている食べ物なのです。
そして果物は生命力が強く、生きた水分を多く含んでいることが特徴です。
その水分には生命力があり、人間が生命を維持していく上で必要とするビタミン、ミネラル、炭水化物、脂肪酸のすべてが多量に含まれています。
とりわけ、肉や魚などを食べ過ぎて、体内の有毒な老廃物をいつも取り除かなければならない状態にある現代人の食生活にとっては、水分を多く含んだ食物を摂る必要があり、果物はその筆頭になるわけです。
でも、このように有効な果物でも、食べ方を間違うと逆効果にもなりえます。 ですから果物を食べるときには「正しく」食べる必要があります。
それは・・・
他のどんな食物とも一緒に食べないこと。 他の食物を食べた直後に食べないこと。(デザート扱いは禁物) 胃の中が空の状態のときに食べること。
・・・以上の三原則を守る必要があります。
なぜなら、果物は他の食べ物と食べ合わせると、たんぱく質は腐敗し、炭水化物は発酵し、すべてのものが酸性に変わってしまうからです。
そうでない限りは、果物だけを食べるなら、体内に入るとアルカリ性になり、体内組織の中で作られた酸を中和する作用を果物は持っています。
ちなみに、体内に毒を発生させ組織を酸性化させてしまう原因として、次のようなことがあります。
食べ物の組み合わせが不適切。 水分を含む食べ物の量が不十分。 凝縮食品(果物と野菜以外の食品)を多量に摂取すること。 食品添加物を摂取すること。 汚染された大気や水を摂取ること。 ストレスを感じること。
果物は、それらによって酸性化した身体を中和してくれるわけです。
ここで、もうひとつ注意事項があります。
それは果物は、新鮮で天然の果物である必要があります。
焼きりんご、缶詰、フルーツパイ、濃縮還元ジュース、などはすべて体内で酸を形成し、身体にとっては有毒物質になってしまいます。 かつ、手を加えることで、本来持っている果物の栄養素も破壊してしまいます。
ただし、ミキサーにかけたフレッシュな果物ジュースはいいですよ。 ただ、飲むときは、がぶ飲みではなく、一口ずつ口に含み、唾液と混ぜて飲んでくださいね。
ということで、果物を食べることについて、もう少し注意事項がありますが、長くなりそうなので、それは次回にしましょう。
尚 記
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