鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色≪【霞色】かすみいろ≫

日本の旧暦を意識して生活するようになって、10年ほど経ちます。

日本の暦には24の節気と、さらにそれを3分割した72の季節の言葉があります。

それを七十二候と言います。

2月24日~28日頃の七十二候は「霞(かすみ)始めてたなびく」でした。

春霞がたなびき、野山の情景に趣が出てくる頃です。

冬至から2ヶ月あまり経ち、太陽の光は増し地熱があがってくるため、水蒸気が発生しやすいのです。


ところで、霞(かすみ)と靄(もや)と霧(きり)の3つは、どのように違うのか、ご存知ですか?

霧(きり)と靄(もや)は気象用語ですが、霞(かすみ)だけ違います。

霧と靄は、どちらも空気中の水蒸気が凝結して水滴となって浮遊し、視界が悪くなる現象です。

2つの違いとは、見通せる距離の違いだそうです。

水平方向で見通せる距離が1km未満が霧(きり)、1km以上10km未満だと靄(もや)と呼びます。

そして陸上での見通せる距離が100m以下だと濃霧と定義されます。

では、霞(かすみ)って、なんなのでしょう。

霞は水蒸気だけでなく、ちりや煙などを含む水滴のことで、景色がかすんで見えることを指します。

霧や靄よりも、広い意味なのですね。

ちなみに霞は、春の季語。

一方、霧は秋の季語なのです。

すでに平安時代からそのように決まっていたとか。

日本の色名に「霞色」という色があることを知りました。

どんな色だろうと思ったら、紫がかった白でした。

うすい紫色は高貴さや、繊細な優美さを感じさせます。

夢見るようなロマンティックな色です。

霞そのものにこれといった色はないはずなのですが、かすんで見えることで、現実から離れた夢のような世界をイメージしたのでしょうか。

「かすみか雲か」という童謡があります。

ドイツ民謡の旋律に日本語の歌詞をつけて1883年に小学唱歌として発表されました。

その後、第二次世界大戦後の1947年に大幅に歌詞が書きかえられ、音楽の教科書に載りました。

「かすみか雲か」という歌詞は「さくらさくら」のなかにも使われています。

どちらの楽曲も春の歌です。

 

鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/

また、シンガーソングライターの一面も持っています。
6月に初のオリジナルアルバムのCDをリリースしました。
作詞作曲はもとより、ジャケットのイラストも自身の作品です。

 

「烏兎匆匆」
全7曲入り/1500円(税込)
こちらからオンラインで購入できます。
https://reiko-ayusawa.com/
当分の間、送料無料です。

 

色見本参考:https://www.colordic.org/colorsample/2449