鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色≪【翡翠色】ひすいいろ≫

渓流の宝石と呼ばれる鳥「カワセミ」をご存知ですか。

羽根や頭、背中など体の表側は鮮やかな青緑色。

お腹は対照的にゴールドに近いオレンジ色をしていてとても目を引きます。

オーラソーマのボトル「B83 オープンセサミ」の配色を思い起こさせます。


https://artbeing.com/aura-soma/equi/B083.html

このカワセミという鳥は、留鳥(りゅうちょう、とどめどり)といって、年間を通してほぼ同じ場所に生息します。

体長は17センチ前後とスズメよりも少し大きい程度です。

大きなくちばしを持ち、水面に魚の姿を見つけると、水中に素早く飛び込み、小魚などの獲物を捕らえます。

川や池や沼を見下ろす木の枝に止まり、水面を見ていますが、ちょうど良い木がないときには、水面ギリギリを低空飛行することも。

美しい姿にも関わらず、魚だけでなく、エビやザリガニなどの甲殻類も食べてしまいます。

秋には色づいていた野山の葉もすっかり落ちて、冬枯れになった渓流でカワセミに遭遇したときは、その鮮やかさに目だけでなく心をも奪われます。

まさに色のない世界で出会った「宝石」のように。

 

中国ではもともとカワセミのことを指す言葉が「翡翠」でした。

その美しい体の色を表していたのですが、時代とともに緑色をした宝石の翡翠(ジェイド)の名前にも使われるようになったのです。

翡翠は、中国では他の宝石よりも価値の高い石とされ、古くから装飾品や彫刻を施した置物などに利用されてきました。

不老不死、命の再生をもたらす石と信じられていたので、秦の始皇帝の墓には数多くの翡翠の玉(ぎょく)が遺体と一緒に収められていたとか。

 

話をカワセミに戻します。

羽根の色が美しい青緑色に見えますが、これは色素によるものではないと知って驚きました。

羽毛にある特殊な微細構造によって、光の加減で青緑色に見えるのだとか。

この原理は「構造色」と呼ばれるものですが、これもまた色彩の世界の不思議さです。

自然界には人智を超え、謎を秘めた美しさがあります。

小さな鳥の呼び名が、のちに宝石の名前になるように、そこには優劣も価値の大小もないのです。

 

鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間
住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/

 

色見本参考:https://www.colordic.org/colorsample/2402

 

Twitterボタン