このコーナーでご紹介している挿話は、ご存知のとおり『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』からの引用です。
https://artbeing.com/cd_book/aurasoma1/BKJ02.html
この本は、ヴィッキーさんが地上に誕生させた「オーラソーマ」という宇宙的な智慧の体系を紹介するために語りおろした本です。
なので、もちろん、主目的は「オーラソーマ」の解説であり紹介なのですが、ヴィッキーさんが語った唯一の本でもあるため、少なからず彼女の自叙伝的な要素を含んでいます。
でももし、これがヴィッキーさんの自叙伝も兼ねているとすれば、女性の自叙伝と言うには、じつは少し変わったところがあるのです。
でも、おそらくそんなことを意識する方はまずいないでしょうね。(^_-)
それはこの本には、一般的な意味でヴィッキーさんの恋愛感情を伺わせるような表現が、どこにもまるで見当たらないということです。(*^_^*)
あまりにそれがないので、誰もそんなことを感じることすらありません。
愛の対象としてこの本に現れる男性像は、唯一、16歳のときに別れたまま一生再会することのなかったお父さんの姿だけです。
そして毎日の瞑想のなかでの祈りの対象としての神様……。
ヴィッキーさんは一生を神とオーラソーマに捧げたような方ですから、いわば修道女のようなタイプの方なんでしょうね。
ただ今回の挿話を読むとわかりますが、生活的にヴィッキーさんのまわりには愛の対象として愛犬たちもいたようですね。
3匹もいたようですよ、しかも修行時代から。
今回ご紹介するのは、そんなヴィッキーさんの愛犬に関わるエピソードです。
今回も少し長いので、2回に分けてご紹介しますね。
もうひとつおもしろい話があります。
それもまた、私の修業時代の話ですが、そのころ私は三匹の犬を飼い、誇りにしていました。
ジャーマンシェパードとイエローレトリーバー、それからオナーの飼育所から来たダックスフントのジャスパー、彼は品評会に出したりするにはちょっと、ということで、もらってきたものでした。
散歩を別にすれば、薬局の裏の庭が彼らの運動場で、小屋のドアを開けると、3つの生きものはまるで気違いのように飛び出てきたものです。
正確に言えば、体の大きな2匹が先で、それからジャスパーが短い足をよちよちさせながら、後からそれを追ってきたのですが。
その夏、何かをつくったり育てたりすることが何より好きな私は、塀に沿った日当たりのよい場所に一本のトマトの苗を植えました。
私は本当にうれしくて、毎日祈りを捧げたり、肥料をやったり、話かけたりしたものです。
そのころ私はまだ若く、植物を育てるのは初めてでしたが、それは見事に育ちました。
犬のためにドアを開けてやる瞬間、私はいつもその大事な植物に目をやったものです。
パッツィとジュディはまっすぐ庭の反対側に行き、自分たちの遊びに夢中になっていましたが、ジャスパーだけは、私の貴重なトマトの前でキキッと見事に急ブレーキをかけ、立ち止まりました。
最初にこんなことがあったときは、首の毛を逆立てていましたが、それ以後は、何か興味を引くものに見入っているようでした。
とはいえ、短い尻尾は立てたままでしたが。
これは警戒の合図です。
私はよもや愛するトマトに向かって彼がおもむろに足を上げ、紳士のたしなみをするのではないか、と恐れたのですが、その兆しはなく、彼は身じろぎもせず、その場にたたずんでいました。
私は動物愛好家の例に漏れず、小さなカメラを持っていて、3匹の犬の姿をあらゆる角度から撮っていました。
そしてトマトは大豊作、大きくて真っ赤に熟れました。
私はカメラを取り出し、何はさておき、この美しい眺めをまず一枚カメラに収め、それからお菓子屋さんで新聞屋さんの近所の方を呼んで、初の収穫を振る舞うことにしました。
この年配の女性は、誰にでも興味を持ち、以前の薬屋の持ち主を知っていたのです。
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』(p267-268)
【ジャーマンシェパードとイエローレトリーバー、それからオナーの飼育所から来たダックスフントのジャスパー】
ペットと言うよりは仲間といった感じの豪華な顔ぶれです。
なんとなくヴィッキーさんの趣味が想像されますね。
pari 記