今年の日本列島は5月に記録的な暑さに見舞われました。
全国どこでも、かつてないほどの高い気温が観測され、みんなぐったり。
このままでは夏本番にはどうなってしまうのか? と不安になります。
ところで、昔の日本人はどんなふうにして夏の暑さをしのいでいたのか・・・興味深い風習を見つけました。
旧暦ですが、6月最後の日に氷を食べて暑気払いをする行事が、室町時代の宮中にあったそうです。
しかしその当時、氷なんて簡単には手に入りません。
ほんとうに貴重で贅沢なものです。
一般の庶民には無理でしたから、代わりに氷に似せたお菓子が生まれたのです。
それが、今も京都に伝わる和菓子「水無月」です。
今回いろいろ調べていて、私は初めて存在を知りました。
水無月は、氷に似せて作った白い外郎(ういろう)の上に、甘く煮た小豆を載せて三角形に切ったものです。
三角形なのは、割った氷のかけらをイメージした形。
赤い小豆は魔除けの意味を持っていました。
この三角形の和菓子は、6月最後の日に夏越しの祓(なつごしのはらえ)をしてから食べるものになりました。
夏越しの祓は、6月末に1月から6月までの半年間の穢れをはらって無病息災を祈願する行事です。
今でもこの時期に神社に行くと、境内に茅の輪くぐりがしつらえてありますよね。
8の字を描くように茅の輪を3回くぐりぬけて、罪や穢れを落します。
外郎(ういろう)で思いだすことがあります。
確か2007年の12月、オーラソーマのレベル3ティーチャーコースがインドネシアのバリ島で開かれ、私はそれに参加していました。
オーラソーマの海外のコースと言えば、いつもお茶の時間に素敵なお菓子が用意されるのが定例でした。
その前に行ったレベル2ティーチャーコースはスイスのホテルが会場で、いつも素晴らしいチョコレートのお菓子などが用意されていたのです。
しかし、バリ島の会場では(ここも相当ハイクラスなホテルでしたが)いつも出てくるお菓子が、外郎のようなしっとりした、米粉を蒸したお菓子ばかり。
見かけが毎回違うので、今日は何かしら? と期待して食べてみると、やはり外郎・・・(笑)
でも、これは仕方ないことでした。
12月のインドネシアは真夏で雨期の真っ最中。
毎日暑くて湿気がありましたから、チョコレートも焼き菓子もダメになってしまいます。
郷に入っては郷に従えでした。
夏には夏のお菓子があるのです。
さて、日本の夏のお菓子「水無月」・・・京都でしか売られていないのかしら。
今年は探して食べてみたいと思います。
風流な暑気払いで、これから続く長い夏を元気に乗り切りましょう。
鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間
住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
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