瞑想について その11
そこで、よくお茶会の瞑想会に参加していただいているWakoさんより、次のような感想をいただきました。
瞑想の成果を報告していただけた嬉しいお便りだったので、Wakoさんの了承を得て掲載をさせていただきます。
「先週の瞑想会では、貴重な資料をありがとうございました。 家で読みかえして、とても勉強になりました。
私は小さい頃から感情の起伏が激しく、自分でも嫌になるほど上下しては疲れてました。 仕方がないので、少しでも感じないようにふるまっていたように思います。 今回の資料でいうと、左側に書かれていたことを実践していたように感じます。
オーラソーマを始めてからは、自分が今感じていることを大切にしようと思いながらも、よく解からないまま混乱していました。 それが、瞑想をよくするようになって、少しずつ落ち着いていられるようになってきています。
感情をコントロールするのではなく、あるがままに受け入れることで楽になることができるとは思ってもみませんでした。
そして、今回のエッセンシャルライフのコンサルテーションで「愛の存在」に気づくようになってからは、さらに落ち着けるようになってきたと思います。 落ち着いてくると世界が広がって、選択肢もたくさん出てきます。 緊張したり縮こまっていると、選べないことばかりで、身動きとれません。 今は、そんな状況を行ったり来たりという感じですが、内側からは喜びが湧き上がってくるような気がします。
笑顔が増えると笑い声も増えて、忙しいなかでもリフレッシュするようです。 職場ではスピリチュアルな話は全然していませんが、自然に協力したり、助け合ったりできるようになりました。 周りの方たちが優しいので、主に助けていただいてる方が多いのですが、罪悪感などを持つより、笑顔で感謝していきたいと思います。 いつも貴重な体験をさせていただいて、ありがとうございます」
鎌倉瞑想お茶会では、日常生活での瞑想がテーマでもありますので、瞑想することで日常生活が楽になって、笑顔で生活できるようになっているというのは、とても素晴らしい効果だと思います。
そのなかで、瞑想会で配った資料について書いてくれていますが、その資料は「心理的セラピーに基づく感情の扱い方」と「瞑想による感情の扱い方」についての資料です。
それは十数年以上前に、私がOSHOの叡智を学ぶ「仏陀の心理学」というコースを「ミステリースクール」で受講したときの資料の一部でした。
ですから、そこでの感情のアプローチというのはOSHOのアプローチないし、瞑想的なアプローチということになります。
言葉だけの説明では非常に理解が難しくなってしまうかもしれませんが、ここでその一部を紹介してみます。
瞑想に馴染んでおられる方には参考になるかもしれません。
「心理セラピーに基づく感情の扱い方」をそれぞれ1)、2)、3)として挙げながら、それに対する瞑想的なアプローチを解説してみます。
1)「あなた」が感情を持っていると定義する。
これに対して瞑想的アプローチは「『あなた』は存在しないという見方で、感情にアプローチする」
つまり、心理セラピー的アプローチでは、感情はあなたの問題だと考えてアプローチするのに対して、瞑想的アプローチでは、感情は解決すべき問題ではなく、単なるエネルギーとして対処することになります。
2)感情が存在する生の表面のみを認識して、表面からの感情を扱う。
これに対して瞑想的アプローチでは、「生の表面と、生の中心にあるエンプティネス、その二つを含むアウェアネスを認識する」
つまり、心理セラピー的アプローチでは、感情の表面的な現象を扱うのに対して、瞑想的アプローチでは感情の現象と同時に、瞑想の空の側面にも気づいて、感情の現象と空の両方に気づきをもたらすアプローチをとるということです。
3)あなたがマインドと身体であるという文脈のなかで感情に働きかける。
これに対して瞑想的アプローチでは「ミステリースクールの存在の背景のなかで、マインドを超えた環境で感情が変容される」
つまり、心理セラピー的アプローチでは、実体のあるマインド(思考)と身体の存在の文脈のなかで感情を扱うのに対して、瞑想的アプローチではブッダフィールドという覚醒の意識(瞑想の意識)のなかで感情にアプローチするということですが、これは普通には理解不能かもしれません。無視してください。
4)ネガティブからポジティブに移行する。
これに対して瞑想的アプローチでは、「ネガティブとポジティブの両方を越えていく」
つまり、心理セラピー的アプローチでは、ポジティブシンキングに代表されるように、ネガティブな感情からポジティブな感情に変えようとするように働きかけますが、瞑想的アプローチでは感情は単にエネルギーであり、ネガティブやポジティブなどの問題ではなく、そのエネルギーをどのように使うかの問題でしかありません。
5)感情の理由を見つけようと試みる。
これに対して、瞑想的なアプローチでは「感情の理由を見つけようとするのではなく、感情が表れるとき、ただ感情とともにいる」
これは、なかなか普通では理解できないところですね。
つまり、心理セラピー的アプローチでは、フロイトやユングに代表されるように、感情を精神分析の技法などで分析するなどして感情をなんとか理解しようとします。 そしてまた、不都合な感情についてはコントロールしようとしたり、抑圧したり、無視しようとします。 しかし、瞑想的アプローチでは、ただその感情について愛に満ちた気づきのなかでその感情とともにいます。
これについて、wakoさんは「感情をコントロールするのではなく、あるがままに受け入れることで楽になることができるとは思ってもみませんでした」というふうに、今回報告してくれています。
6)感情は、人や外側の状況、あるいはあなたのなかの『自己」の欠点による原因と信じる。
これに対して、瞑想的アプローチでは「感情は、意識が制限を受けた状態、ボディ/マインドで自己同一化されることが原因であると理解する」
つまり、心理セラピー的アプローチでは、感情は、とりわけネガティブな感情は、環境やあなたの欠点が原因だと見るのに対して、瞑想的アプローチでは自己同一化していることが問題で、感情と自己同一しなければ、感情そのものを問題とはみていません。
・・・などなど、この項目は11項目ありますが、長くなるので今回はこれまでとします。
結論としては、セラピー的なアプローチでは、「これは、自己の姿や形を立て直す、ホリゾンタル(水平方向)のアプローチですが、その基本的な質は変容しません」が、瞑想的なアプローチでは「これは意識のなかで上昇するバーティカル(垂直方向)のアプローチです。
おそらく、水平方向、垂直方向と言われても、なんのことかわかりませんね。
要するに、セラピーでは、なんとか人格をよくしようとして、いい人になるために感情に働きかけますが、あなたの本質は変わりません。
これに対して、瞑想的なアプローチでは、感情や思考は単に表面的な問題で、さらに内側深くの瞑想のスペースに入っていくと、沈黙、静けさ、平安、愛、慈愛、空の領域があり、そのようなさまざまな内なる次元に気づいていくことを、ここでは「垂直方向」というふうな表現にしています。
アインシュタインは、ものごとの解決は同じ次元ですることはできない、というふうに言っています。
例えば二次元では解決できないことでも、三次元の空間では容易に解決できたりします。
二次元の平面的な空間では衝突してしまう状況でも、三次元であれば、それを飛び越えれば衝突しなくてすみます。
あるいは、二次元の平面では迷路の行きづまりがあれば引き返すしかありませんが、三次元があれば、そこをちょっとだけ飛び越えれば済んでしまいます。
感情に対しても、平面的なアプローチではなく、瞑想という3次元、4次元、5次元の世界を知っていれば、より簡単な対処も可能になるということです。
尚 記
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