瞑想について その7

前回、「ダライ・ラマ瞑想入門」についてご紹介しました。 http://ameblo.jp/aurasoma-unity/entry-11479671239.html
ダライ・ラマ瞑想入門―至福への道/春秋社 ¥2,625 Amazon.co.jp
今回は、その後編です。
この「ダライ・ラマ瞑想入門」は、チベット仏教のすべてを含む最も優れた教えとされている菩提道次第(ラムリム)についてのダライ・ラマによる解説です。
菩提道次第(ラムリム)は、私たちを本当の幸せに導くシステムで、とりわけチベット仏教聖者たちが、全身全霊を傾けて、複雑な人間の心と取り組む過程から生まれたものです。
瞑想を通して、日ごろ覆い隠されている人間の本質(悟り)へ私たちを導く、すぐれた実践の手引き書とされています。
前回はその前編として、初級段階の瞑想の修行者についての一部を紹介しました。
初級段階とは、有暇具足、死と無常、三悪趣の苦しみを深く考えることで、瞑想の動機づけを持つ段階です。
つまり人間として生まれた最高の可能性とチャンスを活かして、修行しなさい、ということです。 人間として生まれることは非常に稀な機会であり、いつ死ぬともわからないはかない命であり、今修行し、瞑想しておかなければ餓鬼畜生地獄の三悪趣の苦しみを受けることになる、というものです。
そして、中級段階の瞑想の修行者というのは、因果の法則を理解して、輪廻の世界に生きることの苦しみを考え、その輪廻の世界からの解脱を願う心を起こす、という段階です。
では、どうして瞑想の修行をするのでしょうか?
それはひとことでいえば、幸せになるためです。
では、どうすれば幸せになるのでしょうか?
それは苦しみがなくなることによってです。 苦しみは煩悩によって作りだされ、その煩悩を混雑することで、永遠に平和で幸せな境地に到達する、といいます。
では、その煩悩というのはどのように作り出されるのでしょうか?
それは無明、無知によってです。 無明というのは、さまざまなものごとの真の本質を誤って理解してしまうことです。
ですから、瞑想というのは無明、無知を打ち砕くもので、分析的熟考の瞑想や空の教義を理解した智恵などによって、ものごとの本質を明らかに観ていくことによってなされます。
他方、人間には意識があり、その意識の本質は純粋で澄みきっているものであり、心を汚す煩悩も、意識の本質まで浸透することはありません。 なぜなら、心の本質は光明であって、煩悩は表層的なものに過ぎず、心の核心には煩悩が浸透することはないからです。
その意識の本質は仏性ともいわれ、それは完全な悟りをひらくための種でもあります。
したがって、瞑想によってその意識の本質に気づくことによって悟り(光明)を得る、つまり真の幸福を得ることことができるようになります。
それでは、上級段階の瞑想修行とはどのようなものでしょうか?
それは菩提心があるかどうかによるのです。 菩提心とは、一切衆生を幸福にするために仏陀の境地を得ようとする利他的な心であり、それがあるかないかで大乗仏教徒か小乗仏教徒かがきまります。
自分の悟りのために瞑想修行して解脱を得た人が阿羅漢、他の人を助け、幸福にするために瞑想する人が菩薩、ということになります。
したがって上級者の瞑想修行には、菩提心を起こし、菩薩行を実践していくということが重視されます。
この本には、上師が弟子に実際に教える口伝や密教までのことが記載されてあります。
「菩薩戒はその他多くの戒よりもすぐれています。菩薩戒を受けることは、大きな功徳や福徳を積むことを約束し、修行者をもろもろの悪行から守ってくれます。
ところで、修行を積んでいない人や菩薩行に信頼を置いていない人に、不必要に菩薩戒の話をしてはいけません。菩薩戒を評価していない人がそれを聞いたら、菩薩戒に反発したあげく、致命的な悪業を犯してしまうかもしれないからです。
ですから、菩薩戒について話すときは、話をするにふさわしい相手かどうかよく見きわめてからにしましょう」
・・・と書かれています。
密教の教えに出会うことは、仏に会うよりも稀であるといわれているそうです。
そのようなことまで書かれてある本というのは、とても貴重です。
瞑想に興味のある方は、一度読んでみられると良いかと思います。
***
「鎌倉瞑想お茶会」のご案内
鎌倉にある和尚アートユニティで、「鎌倉瞑想お茶会」を定期的に催しています。
瞑想のひとときを楽しめるような会にしていければと思っています。
今まで和尚アートユニティでは、オーラソーマやユニティインスティチュートのプログラムを提供し、OSHOの瞑想のアートを紹介してきました。
そこで紹介しているさまざまなプログラムから、瞑想のエッセンスを楽しんでいただければと思います。
「喫茶去」 という公案が禅にありますが、瞑想とともに、ちょっとお茶でも一服どうぞ。
それが「鎌倉瞑想お茶会」です。
興味のある方はどうぞご参加ください。
———————————— 鎌倉瞑想お茶会 日程 2013年3月27日(水) 時間 19:00~20:30 ※時間は多少前後する場合がありますが、ご了承くださいませ。 会場 鎌倉 和尚アートユニティ 費用 1,000円(当日会場にてお願いいたします。お茶・お菓子付) ナヴィゲーター 江谷信寿 ☆ご予約のうえお越しください。 https://aura-soma.jp/schedule/booking.cgi?code=130327MD_Evt
尚 記
       
Twitterボタン Twitterブログパーツ