B16 ヴァイオレットの衣
http://artbeing.com/aura-soma/reading/tarot-B016.html
このタワーが崩壊しているように見えるカードは、劇的な変化、変容を表します。
このイラストを見て思い出すのは、2001年に起こったアメリカ同時多発テロ、「9・11テロ」事件です。
この時、世界の富と繁栄の象徴であったニューヨーク世界貿易センターの超高層ビルのツインタワーが飛行機の衝突によって崩壊しました。
これはアメリカが築き上げてきた富と権力の陰の側面がテロという形で表れたともいえるかもしれません。
テロはどんな理由があるにしろ許されるものではありませんが、この事件が現代に問いかけた問題、及ぼした影響はとても大きなものがあります。
現実のものごとには必ず二つの側面があります。
二元性によって、この世の中が成り立っています。
光があれば闇があり、陰があれば陽があり、女性性があれば男性性があります。
16番のボトルは、上下ともバイオレットです。
オーラソーマの色の言語では、バイオレットには二元性の統合という意味がありますが(バイオレットはレッドの地とブルーの天を混ぜ合わせた(統合した)色でできています)、光に対する陰の側面、ネガティブな側面を表すこともあります。
「9・11テロ」事件では、その陰の側面としての崩壊を象徴した事件でした。
しかし大切なことは、そのようなことが起こったときに、どのように対応するかということです。
そのことを、このカードは教えてくれています。
当時のアメリカ大統領であったブッシュは、直ちに報復の処置をとることを決定し、アメリカの国民の多くもそれに賛成しました。
ダライ・ラマ法王は、慈悲をもって対応することを世界に問いかけました。
彼自身が中国からチベットを追われて亡命した過去を考えると、彼の言葉には重みがあります。
それはともかく、このような劇的な変化は、人生のなかではさまざまな状況となって訪れます。
仕事や関係性での大きな変化、健康上の大きな変化、というのは、みなさんもこれまでの人生の中でも経験があるかと思います。
例えば、現在の社会状況では倒産やリストラ、辞職や転職、離婚や健康上の打撃、アクシデント、などなど。
それは突然、天災のようにふりかかってきます。
個人の力ではどうしようもない、運命的なことのように降りかかってくることがあります。
このタワーのイラストが表していることは、物質的な側面としては、肉体などの健康面や、お金などの富や古い状況を表わすこともあるでしょうし、精神的な側面としては、古い思考パターン、古い条件付けや人格の構造、生き方などの側面で大きな変化に直面すること、などがあります。
タワーのカードで象徴している状況というのは、これまで確固たるものとしてあると思っていた内面的、外面的な安定が突然崩壊し、これまでのものの見方や考え方が通用しなくなり、途方に暮れてしまい、混乱してしまう状況、ともいえます。
象牙の塔、という言い方があるように、それは権威や古く凝り固まったイデオロギーであったり、自分をがんじがらめに縛ってしまっている固定観念や信念のようになってしまい、自分を閉じ込めてしまう牢獄のようになってしまっているものであったりもします。
歴史的には、このタワーの崩壊の図は、バベルの塔の崩壊をベースにしているというふうに解釈する説もあります。
そのことから、精神的な側面では、人間のおごりや傲慢さに対する天罰、あるいはこれまで築き上げてきたエゴ(自己のアイデンティティ、自分中心主義)や虚勢心の崩壊、というふうにも解釈されることもあります。
それが、このタワーの崩壊の図で意味していることです。
では、実際にそのような大きな変化に直面したときには、どのように対処すれば良いのでしょうか?
そこでまず気づくべきなのは、ここで崩壊しているものは何なのかということです。
何かものごとが起こるとき、それには何か理由があって起こるのであり、起こるものごとにはある必然性があります。
このカードを見ればわかるように、それは天からの稲妻によって、その崩壊が起こっています。
とりわけこのオーラソーマタロットカードで特徴的なのは、他のタロットカードではタワー(塔)に雷が落ちて、タワーが崩壊しているのですが、オーラソーマのタロットでは、背後のタワーがくだけて火が出ているので、その塔にも雷が落ちたことを暗示します。
ですが、それだけではなく、稲妻は直接男性の胸の中心と女性の頭上に落ちているということがとても特徴的です。
外側の状況(塔)だけではなく、直接、その人のハートとマインドに稲妻が落ちています。
これは何を意味するのでしょうか?
稲妻というのは天からのものであり、神から放出される神聖なエネルギーとされています。
ギリシャでは、落雷はゼウスから発せられると考えられていたようですし、カバラの「生命の木」の古い図式では、雷光はセフィロトと結びついた聖なる力としても描かれているようです。
つまり、雷にうたれるということは、象徴的な意味では、神の手に触れられるということを意味します。
ですから、ここにいる男女には、天からの啓示が与えられている、というふうに解釈することが可能です。
つまり、そこでどんなにひどいことが起こっていると思われたとしても、それは天からの意思であり、天からの啓示として受け取るべきだということです。
通常のマインドに取っては、そのような変化、崩壊ということは受け入れられないことですし、最初はショック、拒絶、否定、恐怖、混乱を感じるでしょう。
でも、これまでの古いものが崩壊するということは、そこには新しいものが生まれるチャンスでもあるわけです。
自然の中でも、雷は森林に落ちて、山火事になったりもします。
それは自然災害ともなりますが、その後には新しい芽が出て、森林が若返る契機ともなります。
奈良の若草山や伊東の大室山では山焼きをしますが、そうすることで焼かれた灰が肥料となって、次の年には、また新しい草原となって生まれ変わります。
つまり、そこで崩壊したもの、変化していくものは、存在(天、神)が、もうあなたには必要ない、ということで取り去ろうといるのであり、それはもう自分には必要がなくなったのだということを信頼する、ということが大切です。
このプロセスは、自分の内側の深い気づきとして、あるいは大いなるガイドとしてやってくるものです。
そのように思えるには時間がかかることもあるでしょうし、そこまでの理解に達するには、それだけのプロセスや準備が必要になってくることもあるでしょう。
でも、そのように思うことができたときには、当時はどんなにひどい、受け入れがたいことのように思えたことであっても、今となっては、そのことによって新たな気づきを得られ、成長の機会となったことへの感謝をもって受け入れることができるようにもなるでしょう。
つまりタワーの崩壊は、そうなる必要性があって、その崩壊が起こったのだということを認めるということ。
そして大切なことは、その変化の中に含まれているポジティブな要素に気づくということ。
そうすることで、それは新しい方向性、可能性、自由への大きなステップになるかもしれません。
それは、それまでの自己を捨て去った、全く新しい視点でものごとを見る機会であり、気づき、覚醒の機会ともなりうるものです。
その究極のできごとが、悟りを得るときにも起こるようです。
悟りを得ることを、光明を得る、と言いますが、これはこれまでの古い自己の殻が壊れて、大いなる目覚めの経験を意味するのですが、この稲妻はそのための禅スティックでもあるようです。
・・・というわけで、以下のリンクより今日のメッセージをもらってみましょう。
尚 記
☆ランキング、カテゴリー変更しました!!
Twitterブログパーツ