自分の戦略と防衛の層の罠にはまって

自分の戦略と防衛の層の罠にはまって
「ハートからのカウンセリング・トレーニング」から   
                ラハシャ・フリッチョフ・クラフト博士
       人間はどうしても自分が自前で存在しているように思ってしまいますよね。
自分というまわりと切り離された独立した主体が存在しているみたいな。
それもそのはずです、生まれてからそういう思い込みを強化する訓練だけを受けてきているのですから。
でも実際は、現象世界のなかで自前で独立して存在できるものなどいるはずもありません。
自分が生きているつもりでも、空気がなければ生きられませんし、食べ物がなければやっぱり生きてはいられません。
じゃ、空気と食べ物があれば生きられるのかとなれば、もし呼吸や消化を自分がコントロールしなければならないのなら、とうてい生きてはいられません。(*^_^*)
もちろん、たまに意識して呼吸を止めることもできますが、たいていはそんなこと忘れているし、食べたものの消化のことなど考えたこともありません。
それでも、眠っていても身体のなかを血液は流れているし、爪も伸びれば、髪の毛も伸びる。
じゃ、自分にできることって何だろうと思うと、たいていは欲をかくことと、心配することくらいなんじゃないでしょうか。(^_-)
そして、まわりの誰もがそうだから、人生という夢のドラマを本気で演じることができるわけですよね。
でも、どんなに自惚れた自分でも、あんまり突拍子もない自己認識を持っていると、まわりから修正がかかったりもします。
そして落ち込んで、今度は少しバランスを考えるようになって、まわりとの調和ということが視野に入ってくるのでしょうか。
誰が悪いわけでもないけれど、やっぱりあまり調和を欠くと、全体からのチェックが入るんでしょうね。
そのとても優しいチェックのひとつの形が、ここでラハシャ・フリッチョフ・クラフト博士が述べているシンクロニシティだと思います。
あなたは、ひとりで生きられているわけではない、全体の調和のなかで生かされているのだ、と。
では、ラハシャ博士の記事「ハートからのカウンセリング・トレーニング」から、その辺りに触れた部分をご紹介しましょう。
       —————————————————————— ●● カウンセリングのはじめにおける第一の事柄
ハートというのは、存在に対してもっともたやすくアクセスできる扉のひとつです。 私の主催するトレーニングやリトリートでは、一日がハート瞑想のガイドではじまります。 瞑想中、言葉は自発的に発せられますが、主な内容はほぼ同じです。 忙しいマインドを超えて空(くう)へ、静けさの中へと入っていくのを助けます。
ヒーリングと変容が起こるためには、マインドの中身よりも深いレベルで他者と出会うことができるようになる必要があります。 そして、深いレベルで真に出会うためには、まず自らの内なる深みへと降りていき、空と静けさを見つける必要があります。 それから、他者の空と静けさとのシンクロニシティーへと落ちていきます。
シンクロニシティーは二人、またはそれ以上の人の空がひとつになったときに起こります。 共鳴が存在のレベルで起こりはじめます。 数分間沈黙のうちにともに坐って内側へと入っていくことは、出会いをはじめる方法としてとてもよいでしょう。(中略)
その人にとって唯一必要なことは、 ありのままでいて、そのありのままに 愛のこもった気づきをもたらすことです。
あなたが少しでも相手のなにかが間違っていると思うとき、それはあなたがシンクロニシティーの中にいないことを示しています。 あなたは自分の戦略と防衛の層の罠にはまって、もしかしたら、かすかに優越感を感じているのかもしれません。 そうすると、あなたはその層で相手と出会い、相手はかすかに劣等感を感じることでしょう。
二人は関係性のパターンから行動し、もしかしたら言い争いになってしまうかもしれません。 それではヒーリングは不可能です。 どちらかが、もしくは二人ともが正しくあろうとしているかもしれないし、両者がお互いに他者を変えようとしているかもしれません。
相手のなにかを変えたいと思っていることに気づいたら、ただそれをやめて、ただちに自分の中心に、自己の深みへと向かってください。 内なる虚空の中にくつろぎ、しばらくなにもしないでください。 それは存在を引きよせるすばらしい力になります。 相手の中の存在が応答します。
そこから、あなたは相手の存在が完全であることを知ることができ、どの層の中にいたとしても、現に今あるがままの相手を抱きしめることができます。 そのシンクロニシティーの中で、問題への強い同一化が緩みはじめます。                   『リビング・エナジー』Vol.6(p36-37)

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なるほど。
少しでも優越感を感じたりしたら、それは自分のなかに巣食ったエゴの戦略と防衛の層の罠にはまっている、ということなんですね。
そうなると、まわりとは調和できなくなる。
するといつかは、全体からのチェックが入ることになるのでしょうか。
pari 記

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