草はひとりでに生える

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『草はひとりでに生える』は、インドに生まれた現代の覚者OSHOが禅の講話を題材に、難解な内容をやさしくかみくだいた講話集です。
この講話のなかでOSHOが語るのは、禅などの逸話、ないし公案を素材にしながら、人生を生きるすべての根本的な問題についての理解です。
臨在禅では、いわゆる禅問答としての公案は、修行者が悟りを開くための課題であり、その公案を解くことが悟りの証明のひとつとなります。
その公案をOSHOは見事に、明快に解いています。
すでに悟りを開いた人が公案を解けるのは、当たり前といってしまえばそれまでですが、読者の立場からすれば、公案の解説を読むことで悟りの境地を味わえる。 もっといえば、悟りの境地に導いてもらえるようなものです。 そして、悟りの境地にしたがって生きる生き方が語られています。
2500年前、インドで生まれたお釈迦さまは、悟りを開いた後、人々が苦しみのなかに生きるのを見て、すべての人々の苦しみを取り除き、幸せに導くために説法をはじめました。 その教えは28代目の達磨大師の禅の教えとして、中国を経て日本に伝わり、開花しました。 そして今、禅の教えのエッセンスはOSHOとともに、再びインドで語られることになったのです。
OSHOは語ります。
あなたはとてつもない数の問題を抱えこんで、それを解決しようとしている。 だがひとつとして解決できない。 解決できないはずだ。最初からそんなに多くの問題など存在しないのだから。 あるのは唯ひとつだけだ。
そして、その多数の問題を見てしまったら、本当に存在する唯一の問題が見えなくなる。 そして存在してもいないものを追いつづけ、そのために本当に存在しているものを見失う。
だから、まずしなければならないことは、この根本的で唯一の問題がなんであるかを理解することだ。 これは長い間にわたり存在してきた問題で、特定の人に属する問題ではない。 すべての人類に属している

それでは、そのすべての人類に属している、人間が抱えこんでいる問題すべての解決法はなにか。 それは、次の逸話の言葉にあるとOSHOは言います。
渦の巻くままに巻きこまれ 渦と一緒にまた浮かんでくる 自分を水に合わせるのですよ 水を自分に合わせようとしないでね
自らも僧籍を持つ「お釈迦さまの脳科学」の著者、認知科学者の苫米地英人氏は、その著作のなかで「私は、本質的な意味で、この21世紀に仏教が広く理解されるべきだと考えています」と書いています。
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そして、このOSHOの『草はひとりでに生える』の帯では、次のように語られています。
インドで受け継がれてきたDhiyana(ディヤーナ)の、伝統のひとつの結実がOSHOの思想です。 OSHOの平易な語り口のなかに、ともすれば見落としがちな禅のエッセンスを見つけだす読書体験を、皆さんにもぜひ共有していただければと思います。
また、一休と蜷川の禅問答の逸話の最後にOSHOは語ります。
私はあなたに目覚めをもたらさなさなくてはならない。 そして、ご馳走のなかのご馳走をさしあげなければならない。 妙味なる無を──
尚 記

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