B22 再生者のボトル/目覚め その2

2013年、時代のスピードはますます加速し、自然環境や経済環境などの変化も年々激しくなってきているようです。

崖っぷちに向かって一歩歩むがごとき状況のようにも思われます。
それはまさに今回のオーラソーマボトル22番のテーマ、オーラソーマタロットの愚者(フール)の歩みのようです。

このカードには、この一年をどのように歩んでいけばよいかということについて、多くのヒントが隠されているようです。

それでは、22番の愚者のカードとともにこの一年の歩みを進めましょう。

$オーラソーマ 総合情報サイト ブログ-22 The Fool

http://artbeing.com/aura-soma/reading/tarot-B022.html
22番の愚者のカードは0番のボトルに対応する0番のタロットカードと図の構図はとても似ています。

$オーラソーマ 総合情報サイト ブログ-0愚者

http://artbeing.com/aura-soma/reading/tarot-B000.html
0番と22番の愚者の図柄の大きな変化としては、図の色がボトルの色に応じて変化しています。

それに加えて、犬は0番では愚者が崖っぷちに歩みを進めるのを引き止めるかのようでしたが、22番ではおとなしくすわっています。
0番では右手には変容を象徴する蝶が描かれていましたが、今ではハトが飛び立とうとしています。 愚者が右手に担ぐ袋の模様がダビデの星になっています。
太陽が黄金色に大きく輝いています。 そして22番では足下がピンクの花畑でおおわれています。

これらは何を意味するのでしょうか?
その違いを見ていく前に、このオーラソーマタロットと通常のタロットとには大きな違いがあることを理解していただく必要があります。
というのは、通常のタロットでは、全部のカードは78枚のカードでできていて、大アルカナ22枚、小アルカナ56枚で構成されています。

ところがこのオーラソーマタロットは、それぞれのカードがボトルに対応していますので、そのボトルの数に応じたカードがあることになります。
(最近のボトルにはまだタロットが追いついていないことがありますが)

オーラソーマのタロットでは、22番が愚者、そして79番のマジシャンから99番のユニバースまでが大アルカナのリターンジャーニーとなります。

リターンジャーニーというのはオーラソーマタロット独特の考え方で、大アルカナの愚者からユニバースの道を再び歩くことを意味します。

つまり、これまでの0番から21番のタロットは、でかけて行く道「アウトワードジャーニー」といい、22番、そして79番からの道は戻ってくる道「リターンジャーニー」というのです。

「アウトワードジャーニー」では自分自身が探求し、学び、獲得する道であったのが、「リターンジャーニー」ではそのように探求して自分が人生で学んだものごとや獲得したことを分かち合う道というふうにも言うことができるでしょう。

アウトワードジャーニーとリターンジャーニーは、受け取ることと与えること、というふうにいうこともできますし、あるいは外側に向かう道と内側に向かう道、あるいは究極的には、悟りを得るために修行する道と悟りを得てその悟りの心境を説法して歩く仏陀やキリストの心境ともいうことができるのかもしれません。

前回、21番の「世界」(ワールド)では、「自分は本当は誰なのかということを悟り、自分の可能性を完全に開花させている姿が描かれて」いました。

「世界」(ワールド)の中の女性は、「自分のなかにあった分離していた意識が統合され、また自分と世界との間にあった分離も統合され、自己の意識と宇宙の意識とが統合され、ひとつの世界となったことの至福に喜びのダンスを舞っている姿がこのカードとして描かれて」いましたが、彼女は0を表す楕円の緑の花輪の中で踊っていました。

$オーラソーマ 総合情報サイト ブログ-21 The Universe

http://artbeing.com/aura-soma/reading/tarot-B021.html
その0の花輪とは愚者の0を暗示しています。
つまりこの旅はここで終わるわけではありません。
私たちは再びスタートラインに立つのです。

人生の学びに終わりはなく、これまでの学びを糧として、人生という螺旋階段を登り続ける旅がまた始まるのです。

それは、これまで経験し、学んできたことを分かち合うこと、これまで自分が得てきたものを与えること・・・これまで学んできたことを教えることによってなされるのです。

実は教える人が最も学んでいるというふうにも言われています。
教えることで学び、与えることで受け取っているのです。
それがリターンジャーニーということです。
0番の愚者は22番の愚者によって、これまで得たもの、受け取ったことを分かち合っていく道を歩むことになります。

それでは22番の愚者は何を得て、何を分かち合っているのでしょうか?

それを知るにはこれらの0番と22番の二つのカードを見比べてもらうといいでしょう。

若者の姿は変わりません。

0番のフールの基本的なメッセージについては過去の記事をご参照ください。

青年は0番では暗い奈落の底に歩みを進めていたのが、22番では花畑に囲まれ、星の輝く宇宙へと歩みを進めています。
そして衣装はロイヤルブルーからピンクになり、背中には透明の羽が生えているようです。 0番では下の色が潜在的な可能性を含む色、宇宙の愛を表すマゼンタの色がここ22番では無条件の愛のピンクになっています。

それが意味していることは、青年(愚者)はその一瞬一瞬を「今ここ」の未知なる深淵に歩みを進めていることに変りはありませんが、マゼンタの暗闇のなかには、未知なるものに無自覚で、無意識のなかには不安や死の恐怖があったのが、この22番では足取りは軽く、ピンクとイエローに象徴されるように愛と喜びから生きているようです。

ここで象徴されているのは、同じ状況に直面していても、それをどのような視点で見るかによって生きる世界が異なってくることを表しています。

私たちは自分の色眼鏡をかけてこの世界を見ています。
そしてその自分が色眼鏡で見た世界によって自分の人生を生きています。

色眼鏡とは自分の信念や思い込み、感情や偏見、欲望やエゴにより色がついた歪められた見方を意味します。 そのような色眼鏡をかけている限りは、私たちはあるがままの現実(リアリティ)を見ることができません。

私たちが死や恐怖をもってマイナスの側面に焦点をあててものごとを見て生きるのと、愛と希望、プラスの側面に焦点を当ててものごとを見るのとでは、そこから生まれてくる態度や私たちが生きる人生が180度違ってしまいます。

それは、この変化の多い今の時代を見る見方にも影響してくると思います。
環境が変わると、そこには失うものも多くありますが、同時に新しく得るもの、チャンスも多く生まれてきます。

現在の変化を危険と見るかチャンスと見るか、それはその人の見方にもよりますし、その視点によって人生も異なってきます。

この二人の青年を見ることで、自分はどのような色眼鏡をかけてこの世界を見ているのだろうか、ということの気づきを与えてくれます。

それは自分の内面に対して無自覚で生きているのか、あるいは自分の内面を探求し、そこで得た気づきを持って生きているかの違いなのかもしれません。

青年は0番の探求の旅を歩み、22番の「世界」に至ることにより、自分は宇宙から分離した孤独な存在ではなく、宇宙とひとつである、宇宙に愛されている存在であることを悟ったのでした。

肉体を持ちつつも、肉体と同一化することはなくなり、真の自己はこの肉体を超えた存在であること、肉体は死ぬことがあっても意識は大いなる存在とともにひとつであり、死ぬことはないということを悟ったのでした。

それは背後の白い太陽が黄金の輝きをもって描かれていることによっても示されています。

ゴールドはオーラソーマでは個性化のプロセスを経て、真の自己の悟りを得たことを表しています。

青年の右手の上の蝶は白いハトに変容しています。 ハトは平和の象徴でもあり、内なる平和を生きていることを表しています。
あるいは、また内なるガイドとともに生きていることを表しているようです。

青年が担いでいたふろしき包みには、人生を生きていくすべての要素、地水火風のすべての要素が隠されていたのが今はダビデの星となり、それらの天と地のすべての要素が統合されていることが表わされています。

それらの要素について理解し、それらを使いこなすことができるのです。

犬は、もはや青年に危険を知らせる必要はありません。
青年に忠実なハチ公のようになってそばにひかえています。
なぜなら青年は危険に無自覚なのではなく、それらに気づきつつも未知なるものに一歩を歩んでいるのです。犬は危険を警告する必要がありません。

禅では「百尺竿頭進一歩」(無門関)という言葉があります。
高い竿の先まで行って、さらに何もないところに一歩歩め、という禅の公案でもあります。

長い修行で得た高い境地に安住するのではなく、不惜身命、命を惜しむことなく、命を投げ出して衆生救済をするところに悟りの意義がある、というような意味ですが、まさにリターンジャーニーの愚者の心境です。

その他にも、この二枚の愚者のカードの違いを比較することによって、さまざまな理解、気づきを得られるでしょう。

タロットカードは、それぞれの基本的なシンボルの意味はあるにしても、それを見る人が、それぞれに自分自身にとっての意味を見いだしていく楽しみがあります。

そして、ボトルを使っている人にとっては、そのボトルから感じ得られることもあるでしょう。

私たちはこの一年、どのような人生の旅を始めるのでしょうか?

このタロットに見る愚者のカードがそのヒントになればと思います。

この一年、新たなる気持ちを持って、リターンジャーニーの歩みを皆さんとともに歩みたいと思います。

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