サインにとらわれすぎないように
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』より
ヴィッキー・ウォール
現在ご紹介しているのは『奇跡のカラーヒーリング』の中の【「バランス」ボトルのサインとシンボル】という章です。
しかし、考えてみるとこの“サインとシンボル”という章タイトルはとても象徴的ですね。
過去の多くの時代において過酷な環境を生きてきたであろう人類は、身辺の自然環境に起こるちょっとした変化を見逃すだけで、たちまち生命の危険に晒されるような状況に陥ったのかもしれません。
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組で、北海道で猟師を生業にして生活している“最後の猟師”と呼ばれる方のドキュメンタリーを観たことがあります。
その方は、この現代社会において、動物の毛皮や奥地で採取した薬草などを売りに行くとき以外は人里に出ることはなく、米味噌やガソリンなどはそのお金で手に入れ、それ以外は完全に狩猟採集民の生活をなさっているようでした。
猟師というのは基本的には獲物の気配を見つけて、追跡し、あとは待つ、というの仕事みたいですね。
その“獲物の気配を見つける”とか“待つ”というのは、まさに、自然の中の【サインとシンボル】に対する感性を研ぎ澄ます作業そのものといった感じでした。
人類がたどってきた歴史のなかでは、大昔の漁師たちはもっとずっと自らも危険に身を晒した状態で猟をしていたのでしょうね。
必ずしも自分が勝つとばかりは言えない勝負だったのかもしれません。
そんななかで、自然の中の【サインとシンボル】や、身辺に起こる出来事の意味を憶測し、推理しながら生きてきたはずです。
その出来事が何を表すのか、それは「吉兆」なのか、それとも「凶兆」なのか、それは自分や部族の者たちにとって、いいことなのか悪いことなのかと、その“意味”を憶測してきたのだと思います。
まあ、人間は、そうやっていろいろ憶測し、推理しながら生きてきたから、こうして地上にこれほどの規模で繁殖したのでしょうね。
今では大昔とは違って、現代の猟師は銃を持っています。
その意味では、やはり森のなかの他の動物と比べるなら圧倒的な優者です。
その“最後の猟師”と言われる方の「仕事の流儀」は、“一発必殺”ということでした。
無用に獲物を苦しませない、そして肉の鮮度を保つ、ということに集中していました。
“最後の猟師”と言われるように、現代人はもうそのような生き方を選ばなくなりました。
そして、私たちが言う【サインとシンボル】は、もっとずっとソフィスティケートされた、ある意味ではいわば上品ぶった意味合いになっているでしょうね。
でも、本当に上品なのかどうかは、ちょっとわかりませんが。(*^_^*)
J・クリシュナムルティというインドの覚者が「子供に『あの空を飛んでいるのは鳥だ』と教えると、その子は二度と再びそれを見なくなる」と語った、と聞いたことがあります。
つまり、それ以来、その子はそこに「鳥」という記号しか見なくなるということなのでしょう。
話が、ずいぶん、それました。(^^;)
では、ヴィッキーさんにオーラソーマ的な意味合いの「サイン」と「シンボル」についてつづいて語っていただきましょう。
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夢は、時が始まって以来の、魂や肉体や感情の記憶を運んでいる乗り物であり、
ときには未来をかいま見せてくれます。
ここで警告しておきたいのですが、「バランス」ボトルという美しい宝石の中
に現れるサインに、あまりにとらわれすぎないように。
でないと、まるで絶えず人の問題にかかずらっている精神科医が二人、町でば
ったりと出会って「お元気ですか」と声を掛けあったはいいが、「さあ、自分
は元気だろうか」と考え込むようなことになってしまいますから。
内面を振り返るといっても、それがあまりに病的になれば、実際に人生に向か
い合うのを邪魔するバリアになってしまいます。
知恵と知識は正しく使わなければ、助けにはなってくれません。
他の多くのものと同じく、「バランス」も使い方を誤ることがあるのです。
上の部分の右側は、右脳と結びついた精神活動を意味しています。
ここにピラミッドが現れたら、それはピラミッドの時代との密接な関係により、
知恵を探求していることを意味しています。
ときにはピラミッドの上にメッカの黄金のドームのようなものが見えることが
あり、それはかつて手の内にあった古代の知恵を探す霊的な旅に出る資格があ
ることを表します。
肉体のレベルでは、ガラスのボトルを体の骨格とみなすと、真ん中の線はウエ
ストの線で、上のオイルは上半身の器官とその不調を、また下の部分は、太陽
神経叢から下を表します。
しかし覚えておいてほしいのは、肉体は魂や感情とも結びついており、どんな
部分も単独では存在していないということです。
肉体的には、真ん中のラインにピラミッドが現れ、太陽神経叢に居座った場合、
何か消化器か栄養を吸収する機能にブロックが生じていることを表し、食事に
気をつけなさいというサインです。
言うまでもないことですが、こうした例はほんの氷山の一角にすぎません。
あとはあなた自身が探求し、自分で触れ、知ってほしいと思います。
上の部分に縦縞が現れた場合、それは普通、より高いレベルに触れ、それをこ
の人生にもたらしたいという、高次の意識への秘かな憧れを示しているようで
す。
こうした縞の周りや、あるいは単独で、蜘蛛の巣のようなもやもやしたものが
現れることがありますが、それは私の感じでは、過去のカルマや落ち込みや不
幸や動揺が、より高い存在を求め続けるうちに、浄化されてきていることを表
しているようです。
つまり、それはよいサインでしかありえません。
なぜならば、遥かな時を超え、そうしたものが現在、つまりボトルの上の部分
に表れたならば、それはカルマの浄化に違いありませんから。
それは、お祝いの時なのです。
現れるシンボルは山ほどあり、それぞれが意味を持ちます。
ここに示したのは、その中の、ほんのガイドラインにすぎません。
残りはあなたの内にいる偉大なガイド、内なる神にゆだねたいと思います。
『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』(p205-207)
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【内面を振り返るといっても、それがあまりに病的になれば、実際に人生に向かい合うのを邪魔するバリアになってしまいます】
【他の多くのものと同じく、「バランス」も使い方を誤ることがあるのです】
「サイン」や「シンボル」はとめどなく“洗練”され、抽象化していく可能性もあるわけですね。
pari 記