倫理的ジレンマとオーラソーマコンサルテーション

こんにちは、東京・アマーリエのティーチャー上野香緒里です。

私は現在サロン&スクール業と平行して、某大学で西洋哲学を勉強中。

みなさんは「トロッコ問題」をご存知でしょうか?



1920年英国生まれの女性哲学者(ヴィッキー・ウォールと同世代)のフィリッパ・フットによって提唱された思考実験であり、誰もが日常的に経験する倫理的ジレンマに関して、おのおのが思索するためのたとえ話として、道徳の時間などによく教材とされています。

トロッコ問題とはひと言でいうと・・・

「5人を助けるために、ひとりを犠牲にしてもいいのか?」という問いです。


問題。

「線路を走っているトロッコが制御不能になりました。

このままでは、その先にいる5人の作業員全員が死んでしまいます。
線路の分岐レバーを引いて別の路線に引き入れれば5人は助かりますが、そちらの線路上にはひとりの作業員がいます。
 
あなたは今、分岐レバーの前にいます。
あなたならどうしますか?」


第3の方法を思いついたりしないでくださいね。

この状況は動かせないものとしてお考えください。(笑)

このトロッコ問題については、多種多様の文化・人種・教育背景を持つ5000人に解答を求めた結果、89%の人が「分岐レバーを引いてひとりを犠牲にするのは許される」と解答しました。


では、少し状況を変えて別の問題。

「先ほどと同じように、制御不能のトロッコの先には5人の作業員がいます。

あなたは線路の上にある橋にいて、あなたの横には太った男Aがいます。
今、あなたがAを橋から突き落とせば、トロッコを止め、5人を助けることができます。

その代わりAは確実に死にます。
あなたならどうしますか?」


最初の問題もこの問題も、5人が助かるか、ひとりが助かるかの選択であるのは同じです。

にも関わらず、この問題について「Aを突き落とすのは許される」と解答したのは11%しかいませんでした。


この結果から、人間の道徳観について何が言えるでしょうか。

一見同じ結果が出る状況なのに、許されるか許されないかの考えに差が出るのはなぜだと思いますか?

倫理学では、数学のようにひとつの正解を出すことを求めるというより、その問題について、おのおのが熟考することを重要とします。


ひとつの可能性としてはこうです。

最初の状況で自分が分岐レバーを引くことで、ひとりが犠牲になるとしても、直接的に手をくだすのは自分ではなくトロッコです。

それに対して、あとの問題では、直接的に自分がAを突き落とした結果、Aが死ぬことになります。

人間は同じ状況を作りだすにしても・・・

・意図的なものと意図的でないもの
・接触的なものと非接触的なもの
・行動によるものと非行動(目撃しただけなど)によるもの


いずれも前者のときに、より罪悪感や責任倫理が働くので、前者のような状況を避ける傾向があるということです。


しかし、このトロッコ問題、そう簡単には結論は出せません。

たとえば、最初の問題で、レバーを引いてひとりを犠牲にしても許されると答えた89%の人に、そのひとりが自分にとって大切な家族や恋人だったらどうするか?と聞いても、やはりレバーを引くと答えるでしょうか。

または、5人が殺人事件を犯した犯罪者で、ひとりが少女だったら?

このようにトロッコ問題は、何が正しく何が善きことなのか、そして自分は何を正しく善きことだと考えているのか?

日常のさまざまな場面で、どのような行動をとるべきか、簡単に答えを導きだすのは難しいであろうこれらのことについて考えさせられ、それ故に倫理学において長きに渡って議論のテーマになっているのです。


私は、オーラソーマのコンサルテーションも似ているなと思います。

クライアントさんのお悩みや抱えている問題について、「これが正しい」「こうするべき」だなんて、たとえボトルを選んでもらったところで簡単に言えることではありません。

ただ、どんな状況でも、どんな選択をしても、ジャッジをせず、その状況に愛と思いやりと許しを見いだし、その状況のなかに在ることはできます。

そして、クライアントさんが自分のなかに、それを見いだすサポートはできます。

ボトルが現しているのは、そこではないかと思うのです。

行為そのものよりも、その行為の「質」に光を当てるのがオーラソーマです。

 



そのうえではレバーを引くか引かないか、Aを突き落とすか落とさないかに、善悪や正誤のどちらかの選択肢しかないと考えるのではなく、そうなったときには、「どちらでも良い」(どちらかを選ばなければいけないなら、の場合ですよ)のかもしれません。

もちろん実際にレバーの前(橋の上)にいて、罪悪感も恐怖感もなく在ることは、とても難しいことでしょう。

ほとんど無理じゃないかとさえ思います。

それでも、ここまで究極の選択じゃなくても、日々なんらかの選択をしないわけにはいかない私たちが、できるだけ(少しでも)罪悪感なく生きられる術について考えてみることは、決して無駄なことではないと思います。

私なりのトロッコ問題の解決は、こんな感じです。(笑)

みなさんもよろしければ、考えたり、そして、できれば誰かと意見を交わしてみてください。

楽しいですよ!

 

 

上野香緒里 プロフィール

オーラソーマスクール&サロン「アマーリエ」代表
英国公認オーラソーマティーチャー/レベル3(上級)
リコネクションプラクティショナ-/レベルⅠ・Ⅱ・Ⅲ
奇跡のコーススタディティーチャー
コズミックダイアリー(13の月の暦)講師
ユニオミスティオイルセラピスト、レイキヒーラー
HP:http://www.amarlie.com
FaceBook:https://www.facebook.com/amarlie.co.jp

Teacher Blog:ttp://ameblo.jp/amarlie-kaori/

Staff Blog:http://ameblo.jp/amarlie/

Tel:03(5228)4575/Fax:03(5228)4602

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