昔のようには見かけなくなりました、夏休みにプール通いや海水浴や川遊びで、真っ黒に日焼けした子どもの姿。
そんな日焼けした肌の色を表現するときに、よく使われるのが「赤銅色」(しゃくどういろ)です。
先日、ニュースでこんな話題を見つけました。
20代の女性を対象に調査した結果、週に3回以上、日焼け止めを使用する人は、ビタミンDの血中濃度が明らかに少なく「欠乏状態」であることがわかったそうです。
ビタミンDの不足は骨粗しょう症を引き起こすため、これは深刻な問題です。
しかし、近年日焼けからくる皮膚がんのリスク回避や、肌のシミを防ぐために、皆、日焼けを防いできました。
子どもたちも同様で、過度の日焼けをしないように気をつけている親御さんも多いことでしょう。
ですから、赤銅色の肌の子どもなんて、もうこの時代には存在しないのかもしれません。
赤銅色について語るとき、代表的なものとして8世紀中ごろに作られた「奈良の大仏」があります。
かの有名な大仏(正式には「東大寺舎那仏像」)を建立する際に、赤銅が使われたという当時の記録があります。
通常の「銅」に少量の金を加えた合金で、烏金(うきん)、紫金(しきん)とも呼ばれていました。
「銅色」のことを「あかがねいろ」と読むので混同されがちですが、「赤銅色」とそれは別で、金属のような艶のある暗い赤色のことです。
もともと価値ある銅に、もっと価値の高い金を混ぜて作るのですから、高価だったはずです。
また日焼けの話に戻りますが、1980年代・・・バブルの時期、大人にとって日焼けはステイタスでした。
シミになるリスクも皮膚がんのことも話題にのぼらず、景気のよい人たちは南のリゾート地の海やプールで、さらには日焼けマシーンまで駆使して、自分の肌を「赤銅色」に近づけていました。
つまりその当時、日焼けはお金をかけた贅沢の証しだったのです。
なんだか「赤銅色」が、元気だった日本経済の象徴のように感じます。
夏休みに、なにもかも忘れて海やプールで遊ぶ子どものように、あとのリスクなんて考えずに、輝く太陽の下に素肌を晒せたあの時代はもう来ないのでしょうか。
洗練も美白も健康管理も、すべてかなぐり捨ててしまいたくなる、今年はそんな暑い夏です。
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
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英国オーラソーマアカデミー資格講座 レベル2
日程 2016年10月18日~19日、
11月8日~9日、15日~16日
(水木コース/全6日間、36時間)
時間 10:30~18:00
会場 栃木県宇都宮市宝木町 カラーズガーデン
費用 142,000円 (税込)※再受講は半額
定員 6名(残席4名)
講師 鮎沢玲子
お申込み・お問合わせ reiko@colors-garden.jp
その他のスケジュールはこちらで確認できます。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
色見本参考:
http://www.colordic.org/colorsample/2227.html
http://www.colordic.org/colorsample/8c4841.html