ヴィッキーさん物語

ヴィッキーさん物語

「お茶をいかが?」

相手を見ていると、目の前に五百ポンドが浮かんだり、それを手に入れても手に入ることにはならない、というようなことが解るというのは、あるいは解ることがありうるというのは、どういうことなんでしょうね? そう…

ヴィッキーさん物語

「助けてちょうだい」

ヴィッキーさんのこのあたりの話は、本当に不思議て、昔の映画のフラッシュバックを見ているような感じもあります。 物語のなかに入ればそれはとてもリアリティのある緊張する場面でもあるのですが、絶対安全な場所…

ヴィッキーさん物語

「あなた、霊能者ね」

ヴィッキーさんの小学校時代のエピソードは終わって、時間は一挙に飛び、彼女はいよいよ世間の荒波のなかに飛び出していくことになります。 最近は日本もひところのバブルの時代を終えて、貧富の格差が拡大し、ちょ…

ヴィッキーさん物語

「本当に、一生忘れないわ」

なにやら不思議な導きの手に引かれて、ヴィッキーさんはセシリアのおばさんのヒーリングに関わったのかもしれません。 でも、やはりあまりにも帰宅が遅くなって、家に帰ってからみっちり絞られます。 もう二度と誘…

ヴィッキーさん物語

私の手はじんじんと奇妙に痺れ

小学校からの帰り道、ヴィッキーさんは親友のセシリアの誘いに乗って彼女のおばさんの家に行きます。 小学生高学年のヴィッキーさんにしてみれば、もちろん、セシリアがほのめかす「フルーツケーキ」の一言に抵抗で…

ヴィッキーさん物語

ヴィクトリア・パーク

毎週土曜日のお父さんとの冒険は、幼いヴィッキーさんにとって最大の喜びでした。 それはある意味で、ヴィッキーさんの人生全体のなかでも、ひとつのハイライトだったと思います。 なかでもお父さんが立ち寄るおき…

ヴィッキーさん物語

父のクラブ

ヴィッキーさんは若くして家を離れてからは、大好きだったお父さんと二度と再び会うことはありませんでした。 それは厳格なユダヤ教徒だった父親の指示で、家を出たヴィッキーさんが家の敷居をまたぐことは二度と許…