わたしが「オーラソーマ」という世界に触れたのは、本拠イギリスのオーラソーマHPを日本語に翻訳・移植して、日本に最初のオーラソーマサイト(現在の「オーラソーマ総合情報サイト」の前身)を作成する作業を担当したことがきっかけでした。今から20年ほど前のことです。
翻訳に関わることで、文字情報だけのことですが日本のインターネット空間にまだ「オーラソーマ」に関する公開情報がいっさい存在しなかった時点から、「オーラソーマ」の情報に触れていたわけです。
なので図らずもこの20年近く、半ば外側の視点から、また半ば内側の視点から、オーラソーマの情報に触れてきたのです。
初めのうちはよくわかりませんでした。ですがそのうち何となく全体像が見えてくると、「オーラソーマ」という世界は、外側から見ている者にもなかなか面白いところがあったのです。
どちらかというと、感じることよりは理屈で考えることが好きなわたしは、なかでも“色の心理学”のテンプレートである「カラーローズ」に興味を持ちました。
とても整然とした包括的で普遍的なシステムだと思われたのです。
そんなこんながあって、この「カラーローズ」にまつわる連想を、ときどきメルマガ『オーラソーマ通信』に書くようになったというわけでした。
こういうテーマでは、オーラソーマの専門家の方々の文章はあまり公開されていませんから、その意味では目新しくもあり、また素人ゆえの自由さと岡目八目的な目新しさがあるかもしれません。
気楽にお付き合いいただけると、ありがたいです。<(_ _)>
ここで書くことは“文字だけでオーラソーマと付き合ってきた人間”の言葉、「オーラソーマ」の世界を“外側から見ている人間”の私的連想いうことで、ご了解いただきたいと思います。
けっして、「オーラソーマ」の世界での一般的見解でも、ましてや公式見解などではありません。
で、今回は初回ですから雄大に、“「カラーローズ」が、人間心理の鳥瞰図”だというお話をしようと思います。
奇跡の心理学「オーラソーマ」のテンプレート:「カラーローズ」。
6枚の円形の“色セロファン”を、(同じ大きさの円の)円周上に重ねて展開したようなこの美しい絵のなかに、人間心理のすべてが封じ込められているなんて聞くと、ちょっと面白いと思いませんか?
あるいは、この「カラーローズ」を眺めるということは、人間世界にうごめくあらゆる“思い”や“意図”の「鳥瞰図」を見ることなんだ、と言ってもいいかもしれません。
この「カラーローズ」のなかに、人間の美しさ、醜さ、気高さ、卑劣さ、無邪気と邪悪、雄大と卑小、すべての偏りと均衡が表現されている、と想像してみるだけでもちょっと楽しくなります。
「人間の世界」って、その真の内容はたかだかこれだけのことなんだ、と思えば、いっそ気楽なようなものです。^^;
では、この「カラーローズ」が、なぜ、あらゆる人間心理を網羅する鳥瞰図だと言えるのか?
まず、テンプレートとしての「カラーローズ」の網羅性の根拠ですが、これはきわめて直感的ではありますが、しかし非常に説得力があります。
それは、この「カラーローズ」が、“可視光線の全スペクトル”をカバーしている、ということです。(^_^)v
わたしたち人間が応接している森羅万象が、視覚的には“可視光線の全スペクトル”のなかで顕現していることは、いまさら言うまでもありません。
現象世界にはこんな明るいきれいな色だけじゃなくて、もっとどろどろした暗い世界だってあるじゃないか、とも見えますが、それはこの「カラーローズ」には「黒」がないからなのです。
「オーラソーマ」では、「暗闇」は“光の不在”を表すだけで、ほんらい「闇」という実体は存在しないと考えられているのです。
だから実在している「光のスペクトル」としては、「カラーローズ」は“可視光線の全スペクトル”をカバーいるわけです。
この可視光線の範囲内に現れないものは、(少なくともこれまでの)地球人類にとっては、存在してすらいませんでした。
ですから、“可視光線の全スペクトル”というのは、われわれが応対してきた「全体」を表すもっとも雄弁なひとつの象徴とも言えます。
ここには、(少なくとも人間的な)恣意性はなさそうです。
だから「カラーローズ」がカバーしているのは、間違いなくある種の「全体」だと思います。
いっぽう、「カラーローズ」は「色の言語」のテンプレートだと言われます。
「色の言語」とは、色彩と、人間の“思い”や“意図”とのあいだに発見された関係ということですよね。
逆に言うなら、「色の言語」とは、人間の“思い”や“意図”に色のインデックスを付けるみたいなこと、と言っていいかもしれません。
ですから「カラーローズ」とは“人間心理を色で索引付けしたテンプレート”だ、と言ってもそう大きな間違いはなさそうです。
簡単に言えば、「カラーローズ」って、“全人間心理のカラーインデックス”なんですよね。(^_^)v
「インデックス」がこの美しさ、このまとまりの良さですから、じつに見事と言うほかありません。
おそらく間違いなく、「カラーローズ」は全人間心理を網羅しているだろうと思います。
人間心理って、これで全部なんですねぇ。
泣いても笑っても、わずかこれだけです。
わずかこれだけの「意図」のパターンと、その結果、現れた「思い」のパターンのバリエーションのなかで、人間は泣いたり笑ったり、苦しめたり、苦しめられたり……してきたんですねぇ。(-_-;)
そう思うと、いろんな風景が見えてきます。
この「カラーローズ」のなかに、「全体」が映し出されているわけです……。
先に「全体」が提示されている。
ヴィッキーさんを通じて降ろされた世界は、まったく新しい世界のやりかたで提示されました。
先に、そっと……「全体」が提示されているんです。
もちろん、最初に「オーラソーマ」に近づくときは、自分が関心をそそられた小さな小さな部分に引きつけられるのだろうと思います。
単なる色の解釈が、どうしてこんなに自分に響くんだろう?
どうしてこの色が自分の内面を映し出すなんてことがあるんだろう?、って。
オーラソーマが映し出す解釈を聞けば、あんまり不思議ですものね。
だから、どなたかがおっしゃっていた、誰にでも妥当する「占い」の言葉みたいな側面があるんじゃないか、っていう感想、よくわかる気がします。
でも、「占い」と似た側面があるとしても、この「オーラソーマ」という、いわば人類史上最後の「占い」には、ちょっと他の「占い」とは違う側面があるようです。
それは、人間心理のあらゆるパターンが、内的推移のダイナミズムをも含めて、「カラーローズ」という小さな心理宇宙として視覚的に表現されていることです。
前もって、「全体」が提示されているんです。それも一目で見渡すことができるほどの小さなテンプレートとして。
自分の今の“思い”が、この「全体」のなかのどこかの位置として存在しているんだと思えば……不思議ですよね。
その“かわいらしさ”“ちっぽけさ”が、いっそあまりにも“いじらしい”、なんて気持ちになるかもしれません。^^;
この「カラーローズ」というミクロコスモスのなかには、どこにも、“特権的な位置”はありません。すべての位置が平等で、すべての位置が対等で、すべての位置が相互補完的です。
それが、たった3枚の円い“三原色セロファン”から派生する6枚の「色セロファン」の世界に最初から映し出されている……。
神の視界
独存の平和
(ブルー)
// \\
生命への熱情 → 個別への意志
欲望と安定 ← 自尊と不安
(レッド) (イエロー)
比較的長く、文字面だけ「オーラソーマ」と縁のあった人間の夢想です。
もしまた機会があれば、こんどは、この鳥瞰図にもう少し近づいて、もうちょっと細かく展開してくる風景について、書かせていただくかもしれません。
お付き合いいただき、ありがとうございました。<(_ _)>
pari 記
(初出『オーラソーマ通信』第158週号(2007,7/11)より編集)