エーテル体のギャップ

盲人のヴィッキーさんが語りおろした、この『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』という本には、オーラソーマの紹介書であると同時に半ば自叙伝的な意味合いもあります。
しかしこの本はヴィッキーさんの記憶だけを頼りに描かれていますから、年代の記述は極端に少ないのです。

https://artbeing.com/cd_book/aurasoma1/BKJ02.html

語られるエピソードの視覚的な印象はきわめて明瞭なのですが、それがいつの時代なのかは記述だけを見たのではわかりません。

そんな本書のなかで、この戦時での記憶場面は、戦争という紛れもない社会的大事件の記憶と重なっているために、珍しく年代が記述があります。

1942年というとヴィッキーさんが24歳のころの話ですから、まだ彼女がウェスト・ドレイトンのホースレー薬局で仕事をしていたころのことですね。

イギリス首相チャーチルの要請を受けてアメリカはすでに参戦していますが、1944年6月6日にはじまるノルマンディー上陸作戦まではまだ2年もあります。

ドイツ空軍の猛攻を受けている時期でしょうから、イギリスの国内情勢から言うならもっとも苦しい時期だっただろうと思います。

24歳のヴィッキーさんは、すでにこのように振る舞っていたのですね。

では、その状況をヴィッキーさんの語りでご覧ください。


1942年のこと、最悪の事態が起こり、辺り一面が焼け野原になりました。
爆弾が武器工場に投下されたのです。


ショックや怪我を受けた人は四百人に上り、たくさんの人が命を奪われ、生きているのか死んでいるのか分からない体があちこちにごろごろと転がり、まさしく阿鼻叫喚の地獄絵図でした

私は、パニックに陥り泣き叫ぶ幼い女の子を抱き締め、その子に内出血や骨折がないか確かめてもらうために救急隊員を待っていました
救急車を待つ以外にできることは何もない、そんな修羅場の中で、私は自分までパニックに陥らずにすむように、外の状況に一定の距離を置き、傷つきやすい肉体から意識を内へと引きこもらせました。

そのとき私は、奇妙なことに気づいたのです。
その女の子のオーラは体の片端にまでずれてしまっていましたが、ゴールドの輝きはそこにはなく、あちこちに裂目が入っていて、茶色がオーラの外側の線に沿って現れていたのでした

私が数日後彼女を見かけたとき、やはりオーラはひび割れ、体の端に移動したままで、旅立ちもせず、かといって戻る様子もありません

こうした現象は、のちに交通事故や感情の危機、手術など、ショック状態に陥ったたくさんの人に見られたもので、それ以来、私はそれをオーラの分離、あるいはエーテル体のギャップと呼ぶようになりました。

それはまさしく、魂あるいは神の火花が生命の「脇道」に滑り込み、肉体があまりに耐えがたい状態のとき、助けの手が伸びて癒しが起こるまで、しばしの休養を取ろうとしている状態なのです。

魂はなすべきことを終えるまでは「シルバー・コード(銀のひも)」につながれており、地上の住みかを抜け出ることはできないのだ、と私は信じています。
人間の手はへその尾を切ることはできますが、「シルバー・コード」を切ることができるのは、天だけなのです。

『オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング』(p276-277)



【その女の子のオーラは体の片端にまでずれてしまっていましたが、ゴールドの輝きはそこにはなく、あちこちに裂目が入っていて、茶色がオーラの外側の線に沿って現れていたのでした】

【それはまさしく、魂あるいは神の火花が生命の「脇道」に滑り込み、肉体があまりに耐えがたい状態のとき、助けの手が伸びて癒しが起こるまで、しばしの休養を取ろうとしている状態なのです】

そういう状態というのがあるのですね。

pari 記

 

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