世界でいちばん古くて大切なスピリチュアルの教え
これまでいろいろなスピリチュアルブックをご紹介してきました。
世の中に出版されている精神世界本の数から比べればごくわずかとも言えますが、それでも三十数冊を数え、それなりの数にはなってきました。
もちろん、まだまだ新しい本をご紹介することもできるのですが、さて、ただただ毛色の違った本をご紹介するというのは、いったいどうなのかという気もしてきました。
精神世界本といっても一概に一括りにはできないような、様々なタイプと方向性をもった本が含まれています。
そのなかには、これまでご紹介してきた本とはだいぶタイプも方向性も異なると思われるような本もあります。
いずれにせよそれらは、ある方向性に深く深く沈潜していくといった内容になっていくだろうと思います。
そういう類の本は、おそらくそれぞれの方がご自分で出会い、選んでいくことになるのではないでしょうか。
それはある意味で、とても私的な物語になるのではないかとも思われます。
それともうひとつ、もともとスピリチュアルブックというのは、毛色の変わったものをたくさん読むことにほとんど意味のない世界とも言えるようです。
本を読むことが止まるための本だとも言えるわけですから。
なので、これからは、新しく“知る”ためではなく、“知る”ことが止まることに向けて、このブログのコーナーを利用させていただこうかなという感じになってきました。
もちろん、時に応じて、新しい本もご紹介するかもしれません。
もしかしたら、これまでご紹介した本のなかからも、気に入った一節をご紹介するかもしれません。
そのあたりは、流れに任せます。
ただ、このブログを読んでくださる方が、そのとき一瞬、ふっと立ち止まって、あ、そうだな……、と思えるようなひとときをご提供できたら、と思います。
で、今はとりあえず、一冊のある意味で柔らかくて包括的な本から、スピリチュアルな教えのエッセンスのようなものをご紹介していこうと考えています。
とても普遍的で、穏当で、やわらかな感じがする一冊の本を選んでみました。
それが、表題にもあるエックハルト・トールの
『世界でいちばん古くて大切なスピリチュアルの教え』
という本です。
今回は、そのなかから
【「知らないでいること」に心地よさを覚えてください。】
という文章の周辺を、すこし取捨選択してお送りすることにします。
——————————————————————– 「知らないでいること」に心地よさを覚えてください。 そうすることによつて、思考を超越することができます。
○ ◎ ○
どのような偏見も、思考と一体になっていることのサインです。言いかえるなら、あなたには、もはや「人間の真の姿」が見えておらず、「この人は○○な人間だ」という、独自の固定観念を見ているということです。 人間の生命の価値を、単なる観念のレベルに引き下げることは、一種の暴力といっても過言ではありません。
○ ◎ ○
純粋な意識に根ざしていない思考は、利己主義に走り、したがって機能不全になってしまいます。 叡智に欠けた近視眼的な知恵は、極めて危険であり、かつ破壊的でもあります。 これこそが、現代社会のほとんどが陥っている状況なのです。 科学やテクノロジーといった分野での思考の活用は、それ自体は本質的に善でも悪でもありません。 けれども、それが往々にして、純粋な意識に根差していないために、破壊的な結果を生んでしまうのです。
○ ◎ ○
人類の進化の次なるステップは、「思考の超越」です。 それが、いま人類にとって急務なのです。 ただし、これは決して、「もうこれ以上思考すべきではない」という意味ではありません。 「思考と完全に一体になってしまうこと」、「思考に支配されること」を止めようと、いっているのです。
○ ◎ ○
「思考していない純粋な意識の状態」という一瞬の出来事を、これまで見過ごしてきたかもしれませんが、あなたもすでに、ごく自然に、人生の中で何度か経験しているはずです。 そのときあなたは、単純作業をしていたかもしれません。 部屋の中を歩いていたか、空港のカウンターで順番待ちをしていたかもしれません。 それがなんにせよ、そのときには、完全に「いまに在った」ために、普段の思考の雑音は止まり、純粋な意識にとって代わられたのです。 あるいは、ただ青空をポカンと見上げていたか、頭の声がコメントすることなしに、誰かの話に耳を傾けていたのかもしれません。 そのときあなたの知覚は、思考に曇らされることなく、クリスタルのように明晰になります。
○ ◎ ○
思考にとって、こうしたことは、なんの価値もありません。 なぜなら、思考にとっては、考えるべきもっと重大なことがあるからです。 しかも、「思考していない純粋な意識の状態」は、さほど印象にも残りません。 それが、この状態がこれまで看過されてきた理由です。
○ ◎ ○
これこそが、あなたの人生で起こりうる、もっとも重要な出来事です。それは、思考の意識から、「いまに在る」意識へのシフトです。
○ ◎ ○
「知らないでいること」に心地よさを覚えてください。 そうすることによって、思考を超越することができます。 なぜなら、思考は常に結論を出そう、解釈しようとしたがるからです。 「知らないこと」を恐れているのです。 つまり、知らないでいることに心地よさが感じられるようになったら、それは思考を超越した証拠。 すると、観念的でない、より「深遠な知」が、その状態から生まれてきます。
○ ◎ ○ 『世界でいちばん古くて大切なスピリチュアルの教え』 ——————————————————————–
……。(-_-)
「知らないでいること」に心地よさを覚えてください……。
これこそが、われわれの人生で起こりうる、もっとも重要な出来事なんですねぇ。
pari 記
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