鮎沢玲子さんの季節で楽しむ日本の色 ≪【苦色】にがいろ≫

秋が深まってきましたね。
占星術では、今が「さそり座」の季節。
日本の旧暦では、あと数日で二十四節気の「立冬」がやってきます。
冬の足音がもうすぐそこ。
肌寒い日には、温かいコーヒーのほろ苦い味が恋しくなります。大ぶりなマグカップで両手を温めながら飲みたいですね。
コーヒー
コーヒーといえば・・・もしも「苦み」を色で表現するとしたら、多くの人が深く渋い茶色を連想するのではないでしょうか。
日本の色名でもそうです。
その昔、日本にはまだコーヒーが存在しなかったのに、この色が苦みを連想させたことは興味深いことです。
苦色
それにしても「苦色」という、味覚から生まれた色名は珍しいです。
「苦色」によく似た色で「羊羹色」がありますが、こちらは対照的に甘いものの代表です。
羊羹色
苦い色と甘い色がよく似ているというのは、不思議ですね。
実はこの二つには、おもしろい関係があるのです。
羊羹色というのは、歌舞伎において二枚目の冷徹な悪役の衣装によく使われたそうです。
血筋は良いのに落ちぶれてしまった、しかしカッコいい浪人などの役です。
この色は、もとは黒の紋付(正統派の象徴)だった着物が、長く放浪を続けるうちに、赤っぽく劣化した(素行が悪くなった)ことを連想させます。
鎌倉権五郎
世の女性たちが、正統派でスイートな二枚目だけでなく、苦みの効いたワルの魅力に惹かれるのは、今も昔も変わりません。
「苦み走ったいい男」という言葉は、顔が引き締まった様子からきているそうですが、人生の苦みを知っている男性の持つ、強さや野性が表現されています。
色彩に関して繊細な感覚を持つフランスではどうでしょう。
調べてみたら、興味深いことがわかりました。
「苦色」に相当する色はカフェ、つまりコーヒー色。
コーヒー色
「羊羹色」に最も近い色は、ショコラ(チョコレート)だったのです。
チョコレート色
コーヒーは苦い味の代名詞ともいえますし、日本の羊羹は、フランス人にとってのチョコレートと同義と言っていいかもしれません。
チョコレート
しかし、砂糖やミルクを加える前のショコラの原料、カカオは苦い味です。
どうやらフランスでも、苦い色と甘い色は関係があるようです。
秋の夜長、カッコいい悪役が登場する映画を堪能するもよし、ショコラとコーヒーで夜更かしして、人生の苦みについて友人と長電話をするもよし、です。
       ………○…………○…………○………
鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール 有限会社「カラーズガーデン」代表。 英国オーラソーマ社公認ティーチャー。 栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。 中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。 2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。 2006年より公認ティーチャーとして活動中。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
———————————— 英国オーラソーマアカデミー認定講座       オンゴーイングエデュケーションデイ オーラソーマ・タロットの象徴解釈 日程 2014年11月9日(日)と          11月13日(木)の2回開催 時間 10:30~18:00(税込) 会場 栃木県宇都宮市 カラーズガーデン 費用 13,000円(当日会場にてお願いいたします) 定員 各回6名 講師 鮎沢玲子 ※レベル1コース修了以上の方が対象です。  プラクティショナー資格更新プログラムに対応。 お申込み・お問合わせ c_garden@sea.ucatv.ne.jp TEL:028-667-8006
その他のスケジュールはこちらで確認できます。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
色見本参考: http://www.colordic.org/colorsample/93866C.html http://www.colordic.org/colorsample/542D24.html http://www.colordic.org/colorsample/4014.html http://www.colordic.org/colorsample/4011.html 参考HP: 歌舞伎公式総合サイト http://www.kabuki-bito.jp/index.html
☆ランキング、参加中です!!       
Twitterボタン Twitterブログパーツ