日本でのチャクラマッサージ事情

日本でのチャクラマッサージ事情
「スパ・ラクーアの試み」から   野田幸子インタビュー
       ひとつの文化が伝えられ普及していくには、そのチャネルはひとつだけではないのでしょう。
ほんの些細な文化的創造物が別の地に移植されるためにすら、きっといくつもの人的交流や情熱や状況など、さまざまな条件が整うことが必要だったのでしょう。
たとえば、別の文化圏からのある文化的創造物が別の地に伝えられても、それがその地で普及していくためには、少なくともそれを伝えようとする人々だけではなく、その地にその文化的創造物を受け容れる状況が存在しなければ、実際にはそれは普及しないはずです。
このごろでは、日本の食文化、特に“お寿司”などが諸外国でも広く受け容れられるようになってきているようですが、これが明治時代のころだったら、極東の小国にある生魚の食習慣など、西洋先進諸国に受け容れられるはずもなかったと思われます。
そう考えれば、どんな文化的創造物の交流・普及にも、機運というものがあるのでしょうね。
話を「オーラソーマ」に戻すなら、イクイリブリアムという美しいボトルを中心としたこの得体のしれない商品群を、受け容れる機運がどこの国にも整っているわけではないことは容易に想像されます。
まずその商品に興味をもってそれを普及したいと思う人たちがいること、そしてそれを受け容れる素地がその国にあることが必要です。
その意味では、この一見まったく別の文化的伝統からの創造物と、日本はよほど相性が良かったのかもしれませんね。
伝えようとする人と、それを待ち焦がれるように受け容れてくれた人々がともに用意されていたようです。
この“オーラソーマ文化”のひとつの支流に、オーストラリアのヴィッキー・エンゲハムが開発した「チャクラ・マッサージ」というものがあります。
この文化が日本に入ってくるためにも、やはり、普及したいと思う人たちと、それを受け容れる人たちのドラマがあったようです。
なにしろ、このトリートメントは名前こそ“マッサージ”ですが、実際はただ“撫でる”だけなわけですから。(^^;)
今回は「チャクラ・マッサージ」の普及に関わってこられた(株)IMA代表の野田幸子さんのインタビューから、そのあたりに触れた部分をご紹介しましょう。
       —————————————————————— 江谷 先ほどヴイッキー・エンゲハムさんにお話を伺いましたが、今度は日本でのチャクラマッサージ事情について、野田さんにもお話しをお伺いしたいと思います。 ここのメソッドを、一般の方たちに紹介していくにあたって、いろいろとご苦労もあったと聞いています。 実際に後楽園のスパ・ラクーアでチャクラマッサージを提供されておられますが、導入の経緯についてお話しいただけますか?
野田 私がはじめてヴィッキーさんにお会いしたとき、彼女はすでに日本でもオーラソーマシステムのコースを教えておられていたのですが、タイのコ・サムイ島でのコングレスでお会いしたときに、日本でもチャクラマッサージを教えてはしいとお願いしたのが始まりです。 クラスは最初からとても評判がよく、26人ほどの生徒さんが集まって、もう十数年間、毎年2回来日して教えていただいています。
でも、せっかく学んだとしても、チャクラマッサージだけではなかなか人が集まらないのが現実だったので、とにかく一般向けにチャクラマッサージを広める場所がほしいと思っていました。 そこへ後楽園にあるスパ・ラクーア内に出店をしないかというお話があったのです。 これは、すばらしい機会だと思いました。 スパという場に来たお客さんは、なにかを体験してみたいという気持ちがあると思うので、そこでなら自然な形でチャクラマッサージを紹介できると思い、サロンをオープンしたのです。 それは7年前のことでした。
チャクラマッサージ
スパ・ラクーアには、他にも7、8店舗、中国整体やリフレクソロジーやフェイシャルエステなど、いろいろな店舗がありました。 その中で、うちのサロンにいらっしゃる方は、普通のマッサージを受ける感覚で来られる方がよくいるわけです。 ですから、「撫でるだけじゃないの?」と怒られることもありました。 そこで、セッションをお受けいただく前に、きちんとチヤクラについて、どのようなトリートメントなのかをご説明して納得してもらい、受けていただくということを繰り返していきました。 そのおかげで、リピーターも増えましたし、納得して体験することで、クライアントの気づきも深まっていったようです。
でも、最初はチャクラマッサージだけでは難しかったので、ヴィッキーさんの持つ、いろいろなマッサージテクニックを導入したり、足をほぐしたり、ヘッドマッサージを取り入れてみたり。 また、オーラソーマコンサルテーションなど、いろいろなオプションコースを設ける試みもしていきました。
こうしてチャクラマッサージが人の目に触れ、セッション受けられる機会を増やしていき、チャクラマッサージの価値は従来のもみほぐしではなく、いかに深いリラクゼーションと癒しに働きかけているかということを、地道に広げていきました。 おかげで、少しずつ支持されるようになってきました。 単に自分自身が楽しむだけではなく、お客様に提供できるレベルの取り組みができるようになってきたのだと思います。
ラクーアに店舗をオープンしてから3年経ち、ようやくす理解が深まってきたようで、今ではこういう時期にも関わらず、癒しを求めて来られるお客様が多いです。 チャクラトリートメントは人気も出て、うまくいっていますよ。
            『リビング・エナジー』Vol.7(p28)

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なるほど。
“「撫でるだけじゃないの?」と怒られ”た、というのももっともですね。(*^_^*)
そのお客さんは、どんな新種のマッサージを受けられるのかと思って来られたのでしょうから。^^;
でも、そういう過程を通り抜けて、いまでは「チャクラマッサージ」そのものを受けようとするリピーターの方々がいるのですね。
pari 記
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