胎児の希望に添えるような
「オーラソーマと出産」から 古賀直子
助産師の古賀直子さんと赤ちゃんのお話、最後に新しい可能性に触れていて、それもご紹介したくなりました。
専門家の世界とも言えますが、そうかそういうふうに新しい世界というのは展開していくものなのかなぁ、とも思いました。
この地上に生まれてくるということは、考えようによっては大変なハンディを負うのと同じことですよね。
だから、最初の段階でできるだけ本人の大きさとか勢いを奪わないというふうに発想するのはわかりますよね。
生まれてくるということは、ある意味で無形の存在が人間という形をまとうということでしょうし、とても大きな決断が為されているとも言えるわけですね。(-_-)
よく生まれてくる決断ができたなぁ、というような不思議な感想も湧いてきます。
まあ、こんなふうに胎児の思いが受け止められるというのは、地上世界では例外的なことなんでしょうけど、思いやりというのはそういう世界も包含していくんでしょうね。
このインタビュー記事を読みながら、「トラウマ」ってとても大きなことなんだなぁ、と感じました。
では早速、古賀直子さんのインタビュー記事「オーラソーマと出産」から最後の部分をご紹介しましょう。
——————————————————————– 文珠:早期リバーシングというか、胎児の状態に戻ってるんでしょうね……
古賀:ニコニコしてて、そうして今度は、笑うと横隔膜が動くけど、この動きで、へっへっへってやりだしたんです。 もちろんシャックリじゃなくってね。 お母さんと一緒に見てて、「何だろう、笑ってる、呼吸が笑ってるみたいだなぁ」って言ってるうちに、その子はリラックスして、小さくコンパクトになって、タライの半分くらいのサイズになって……この間、藤本さんがライアでずっと3曲弾いてくださってたんですが。
この子はお腹のなかで「僕は男になってしまったぞ。それに大きくなってしまったし、小さくないよなぁ」と思ってたかもしれないけれど、そのことも「あぁ、でもよかったんだ」と本当の意味で思えたような気がすごくして…… こうしたメンタルな傷も、早い時期なら速やかに癒せるんじゃないかと。
病院とかで吸引されたり、自分の意じゃない生まれ方をしたり、そういうバース・トラウマを受けた子どもをね、沐浴という段階で癒してゆけそうだという……新生児のリバーシングというのはとても簡単なんじゃないかしら。
大人だったらいろんなワークをたくさんやらないといけないし、それこそ大人は空想だらけだから、思い出したものが事実なのかイマジネーションなのかわからなくなっちゃうけど、ところがこうして新生児のからだが上手にやってくれたのを見て「あっ、これはそういう子どもたちのサポートをもっとしてあげられる可能性があるな」って。
どの子どもも何かしら訴えを出してくるから、できればそれをキャッチする。 自分が研ぎ澄まされてくれば、もちろんいいですけれど、オーラ・ソーマを使ってそこのところをなるべく胎児の希望に添えるようなかたちでとか……“妊婦さんのその人らしいお産”って助産婦はよく言うんです。 “産むお母さんとか、家族の意向に添いましょう”という感じなんですけれども、もう一歩踏み込んで「胎児の心を無視したらいけない!」っていうね。 その子たちが意志をもっていることはたぶん確実だし、そこを無視してやるというのはね。 まわりが無視したって胎児の思い通りになるってこともあるけど、でもそうじゃないことがあった時には……
文珠:何があっても自分を貫ける強い意識をもって生まれてくるのは、ごく少数で、多くはやはりある種のサポートがあれば、もっと自分を生きられたのに、トラウマが大きすぎて挫折してしまうといったケースもあるでしょうからね……
古賀:だから今はどんどん年齢が下がってきて、幼児期の心のケアに関心が向かうようになってきてるでしょう。 それこそ私が中学時代に思っていた「少年非行は学校じゃなくって家だ。 家の中でも幼い時のケアだ」という発想に近づいてきています。 どんどん下がってきているけれど、もう一歩下がると、新生児の心のケアというか、胎児の心のケアというか……ケアというとなんですが、その子たちの意志を尊重するというか、そこまでほんとうに早くいければいいなって思いますね。
『リビング・エナジー』Vol.5(p94-95) ——————————————————————–
なるほど……。
幼児の心のケアから、新生児の心のケアまで視野が広がってきたんですね。
時代はどんどん変わっていきますねぇ。
pari 記
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