【 縹 色 】 はなだいろ
縹色(はなだいろ)とは、青色の古い名前です。
古くは藍で染めた青色の総称のように用いられ、浅縹(あさはなだ)、深縹(こきはなだ)のように色の濃淡を区別していました。
青色の中でも縹色は、藍の染料だけで染められたくすみのない純正さを持っています。
昨年末に急逝された映画監督の森田芳光さん。
2007年のことですが、45年ぶりに黒澤明監督の映画「椿三十郎」をリメイクしました。
オリジナルの黒澤作品はモノクロでしたが、森田監督による新作はカラーでした。
上司の汚職を暴こうとする九人の若侍衆は劇中で「青侍」と呼ばれています。
映画を見た私は「うわっ、本当に青いわ!」と思わず笑ってしまいました。
揃いも揃って、皆同じような青い着物を着ていたのです。
「青」は青二才のように未熟さを表現するときに用いられますが、映画では純粋な忠誠心も表していたかもしれません。
オーラソーマの観点から見ても、ブルーは物事を受け入れる受容性、従順さ、信頼などを意味します。
学校や会社の制服に、ブルーがよく用いられるのはこのためです。
中国の思想である陰陽五行で、青は「木気」、方角なら「東」で、季節は「春」に相当します。
一日は東から太陽が昇ることに始まり、一年は春という季節から始まり、人間に例えれば、青は人生が始まったばかりの若者ということになります。
「青春」という言葉も、これに由来しています。
一方、青侍たちを束ねて活躍するヒーローの椿三十郎は、くすんだレッドのような小豆色の着物です。
色のメッセージとして考えてみると、レッドは行動力やエネルギー、そこに渋さや成熟した大人の余裕がプラスされていると言えます。
この季節、縹色のような晴れ渡った五月の空を見て、ため息をついている若者がいるかもしれません。
現代の青侍である新社会人にはつきものの「五月病」
英語では憂鬱を「ブルーな気分」と表現するように、ブルーは悲しみや落胆を表す色でもあるのです。
青の旧字体とその由来を調べてみたら、上半分は「生」で下の部分は「丹」でした。
「生」は木を表し「丹」は朱赤の意味。
つまり「青」は植物が成長し、五行で言う「朱夏」・・・レッドにつながっていく可能性を物語っていたのです。
ブルーの中にあるレッドを意味する文字は、若さの中に成熟への種が眠っていることを教えてくれています。
縹色のような時期は短い・・・日々を大切に生きてほしいと思います。
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鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール 有限会社「カラーズガーデン」代表。 英国オーラソーマ社公認ティーチャー。 栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。 中学校美術教師を経て、インテリアコーディネータとして14年間住宅メーカーに勤務。 2002年よりオーラソーマ・プラクティショナーとして独立開業。 2006年より公認ティーチャーとして活動中。 http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
———————————— 英国オーラソーマアカデミー認定講座 レベル1 日程 2012年5月26~27日、6月2~3日、9~10日(毎週土日) (週末コース6日間) 時間 10:30~18:00 会場 カラーズガーデン(栃木県宇都宮市清原台) ※JR宇都宮駅から送迎有り 費用 136,500円 (税込) ※再受講も受付中(カラーズガーデン以外で学ばれた方6万円) お申込み・お問合わせ: カラーズガーデン:c_garden@sea.ucatv.ne.jp TEL:028-667-8006
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色見本参考:http://www.colordic.org/colorsample/2080.html
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