寒い時期になると、食べたくなるもののひとつに「風呂吹き大根」があります。
おでんに入っている味の染みた大根と甲乙つけがたいのですが、今日はあえて「風呂吹き大根」について。
今が旬の大根を厚めの輪切りにして、昆布だしで柔らかく茹で、練りみそや柚子味噌などをつけて食べる料理です。
ところで、なぜ名前が「風呂吹き」なのか、考えてみたことがありませんでした。
由来を調べてみたら、これがなかなかおもしろい。
昔、漆器を乾燥させる部屋を「漆風呂」と呼んだそうですが、冬は漆の乾きが悪かったため、早く乾燥させるのに大根の茹で汁を吹き付けると効果があったとか。
その茹で汁を取るために茹でた大根を食べるようになり、「風呂吹き大根」と名付けたのだそうです。
他にも諸説あり、熱い大根をふうふう吹いて食べる様子が風呂を沸かすのに息を吹きかけるのと似ているから、というのもありました。
これは昔の薪で沸かすお風呂ですね。
大根の話題でもうひとつ。
大根の色って、何色ですか? と聞いたら、当然「白」と答えますよね。
でも実は白ではなく、本来は「無色透明」なのだとか。
大根には、肉眼では見えないほどの小さな穴がたくさん開いていて、その表面も凹凸になっています。
そこに光が当たると乱反射することで、人間の目には白い色に見えるのだそうです。
その証拠に、大根を茹でると小さな穴に含まれていた空気が外へ押し出されるため、火が通るにつれて透明に近くなります。
これと同じ原理なのが「白熊」です。
白熊の毛は透明で空洞がありたくさんの穴が開いています。
だから体毛がふんわりと空気を含み、極寒の地でも生きられます。
光があたるとたくさんの空洞がそれを乱反射するため、白熊の毛は白く見えるのです。
この事実は意外すぎて衝撃でしたが、白熊の白い毛の下の皮膚・・・実は黒いのですって。
これは知りたくなかった。
同じ原理で雪も白く見えますが、実は透明。
複雑な形の雪の結晶が無数に重なりあい、さまざまな波長の光を乱反射するため白く見えるのです。
大根が本来は無色透明であることが、おわかりいただけたでしょうか。
この話に関連した日本の色を最後にご紹介します。
「雲母(うんも)」です。
古い時代の色名では「きら」や「きらら」と呼ばれていました。
雲母は英語では「マイカ(mica)」で、オーラソーマのイクイリブリアムボトルのなかにも使われている成分です。
アルカリ金属を含むケイ酸塩鉱物で、細かな結晶に光が当たると乱反射して銀白色に輝きます。
大根や雪の結晶や白熊の毛が、本来は透明なのに白く見えるのと同じ原理を持つ物質なのです。
雲母は細かく砕いて日本画の顔料としても使われます。
胡粉のように真っ白ではなく半透明なので、他の顔料と混ぜ合わせて真珠のような光沢を出すのに用いられます。
また、溶いた雲母を和紙全体に塗って、他の色の発色を良くすることもあるそうです。
年末に向けて街はイルミネーションで飾られ光り輝いています。
雲母の古い呼び方は「きら」や「きらら」です。
まだ電気もない時代、キラキラ光る雲母は魅力的に見えたことでしょう。
皆さま、どうぞすてきなクリスマスと良い年末年始をお過ごしください。
私とはまた来年。
鮎沢玲子(あゆさわ れいこ) プロフィール
有限会社「カラーズガーデン」代表。
英国オーラソーマ社公認ティーチャー。
栃木県宇都宮市生まれ 生家は染物屋を営む。
中学校美術教師を経て、インテリアコーディネーター
として14年間住宅メーカーに勤務。
2002年よりオーラソーマ・プラクティショナー
として独立開業。
2006年より公認ティーチャーとして活動中。
http://ameblo.jp/aurasoma-c-garden/
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